6-1話
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石は歓喜に体を震わせるほどの喜ばしい事実だった。
奇跡、と思えるような光景だろう。
ほとんどそのままの形で残っている航空機を見つけた三人は喜びと驚愕が入り混じり、足が軽くなる思いだ。
「おぉーーーい!」
仙石達は声をかけながら、航空機の足元へと駆け出す。
そして見つかる人の痕跡。
焚き火や空の缶詰とペットボトル――大森が拾ったのと同じラベル――がそこかしこに捨てられていて、ここに大量の人がいた事を証明していた。
ただのゴミと燃えかすに過ぎないソレは、仙石の喜びを助長する。
―――だが、そこにあるのはソレだけではなかった。
「っ―――なん……だよ……これ…!?」
仙石は信じられないものを見た。
その場にあるにはおぞましく…常軌を逸した光景が広がっていた。
それは仙石達には思いもよらなかったモノ―――帯びたたしい量の血痕。
それは浮かれた心を落胆へと突き落とす猟奇的なモノ―――ギロチンにかけられたかのような巨大な犬の生首。
それは現実離れしていると実感している認識を裏返すモノ―――池のような血溜まりを作って横たわる獣の首なし死体。
「い……いったい…一体何なんだよ、これはっ―――!!?」
彼らには想像出来ない事がここには起こっていた。
だが仙石達がそれを目で見るにはもう遅い。
過ぎ去ってしまったその経緯を彼らが知るのは…少し先の話だった。
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