6-1話
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「きゃあっ!?」
突然、和んだ空気をぶち壊すようなそそっかしい悲鳴があがった。
悲鳴と共に大きな水音を立てて、思いっきり尻餅を打って転んだ様子である。
「お、大森さん…? だ、大丈夫か?」
「いえ、足に何か……」
それは、滝の波が流してきた“モノ”が不意打ちに大森の足元に接触してきたのが原因だ。
だがその流れ込んできた“モノ”が問題だった―――。
「せ、仙石くん! 上流からこれっ…!」
「な、何があったんだ大森さん!?」
ただならぬ雰囲気に異変と感じた仙石は、岩影から顔を出した。
本人は下心はなく、緊急事態だと思ったのだろうがそれが悪かった。
「あ゙…」
「き…きゃあー!! こっち見ないでください!!」
大森はその裸身を見られるという羞恥に顔を染める。
仙石はその目に焼き付いた同じ眼福な姿を拝んだ代償として、まぐれのようなコントロールで投げ付けられた“モノ”によって迎撃された。
投げつけられたのは―――飲料水が入っている『ペットボトル』だった。
―――。
仙石達は『ペットボトル』を見つけた後に、滝の上流―――今まで見えていなかった高台向こうの土地を踏み進んでいた。
昨日のペースとは違い、体力を消耗する勢いでの強行軍で早くも疲れの色を浮かべる。
だがそれでも疲れる体を押して進むのは、それだけ確かな手がかりだからだ。
「おかしいとは思っていた」
息切れを起こしながらも、真理谷は我慢出来ずに疑問を口に出した。
「―――飛行機が“墜落”していたのなら、僕らだって相応の怪我をしていたはずだ…」
搭乗口から落ちたとしても、十メートル近い高さから落とされればただでは済まないはずだ。
少なくとも真理谷は自分達の軽傷の具合から航空機の無事をイコールと考えた。
天信睦月によって、たまたま投げ出された所を拾われたから助かった命である事を彼らは知らない。
だがしかし、真理谷の推測と天信睦月が齎した結果は違える事はなかった。
「はっ…はっ…今回の、フライトは超ベテランの土屋機長です。 あの方、なら……例えトラブルがあったとしても…絶対“墜落”なんてさせません」
「間違いない……オレ達の飛行機―――“不時着”に成功していたんだ…!! 飛行機は…皆は無事だったんだよ!」
その結果は、仙石達に見せつけた。
生い茂る木々をその鉄の腹で押し潰して、五体満足で鎮座するジャンボ旅客機。
着地の衝撃だからだろうか、胴体に所々に痛々しいヘコみ傷を残しているが、翼もエンジンもそのままの形で残している。
淡かった希望が現実に目の前で存在している事は、仙
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