マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
BRAVEBALL
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は間髪入れず短いスペルを連唱、レイド全体のHP、MPリジェネ、能力値ブーストを掛ける。流れるような手つきでポーチから最高級のMPポーションを取り出して飲み干し、再び詠唱開始――――
「……何見てんのよ」
「……いや、変わったなぁ〜って」
最初の頃はもう反抗期というか何というか……使い魔のレックス以外は全部敵!みたいな感じだったのに今やギルドに入るようになるまで丸くなった。
「…………かげよ」
「ん?何て言った?」
「!?……何でも無いわよっ!!は、早く突っ込みなさい!!」
いや無理だろ。絶賛炎上中のアレにどう―――
―パリン……
「え?」
「は?」
ボスが、無数のポリゴン片になって消滅した。
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「……終わった、のか?」
誰となく、そんな呟きが部屋に木霊する。戦闘開始からまだ10分と経っていない。
余りに弱すぎる。
刹那、ボス部屋前でのやり取りが想起され、思考が追い付く前に体が動き出す。ローテーションの関係で取り巻きの排除をしていた、スリーピングナイツ+アスナの元へと。
俺と同じ考えに至ったらしき人物は他に3人……キリト、セイン、ハンニャだ。
取り巻きのノープリウスは甲殻類の『幼生』、つまり成長すれば『成体』になるはずだ。そして昔から『モンスターの成長』と言えば何なのかは自明の理。
「ユウキッ!!」
「跳べ、アスナッ!!」
「シウネーさん、跳んで!!」
「全員後退しろ!!」
俺とキリトは大切な人を、セインは冷静な判断の下、最も防御力のないシウネーを、ハンニャはもう少し冷静で、レイド全体に警告の怒号を放った。
床に溜まった取り巻きの《死骸》、つまり粘液。
思えばおかしな話だ。VRMMOにおいて倒されたモンスターはポリゴン片になる、先ほどの《クルスタシア》のように。ならば何故、《死骸》なんぞが残っているのか?
簡単だ。それらはまだ生きている。『アインクラッドのボスモンスターはHPが表示されない』という仕様から生まれた『罠』。
生き残った《ノープリウス》は『合体』し、《クルスタシア》となる。
最後の数メートルは半ば宙を飛ぶように、キリトは影妖精族専用の上位スキルで本当に飛行しながらユウキ、アスナを回収離脱する。
セインも跳躍し――ヴィレッタが咄嗟に掛けた跳躍速度ブーストをの助けを借りながら――シウネーを回収。
他のメンバーも危険域を間一髪で離脱した…………瞬間、
「フシャアアアァァァッ
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