マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
BRAVEBALL
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
手をウネウネと動かして(多分)威嚇をするが、お構い無しに接近。大太刀の通常攻撃でそれらを切り飛ばし、床を転がって後ろから飛来した矢を避ける。
矢は過たず弱点に命中しノープリウスに発声器官が無いのかごぽ、とだけ音を出すと形を崩して床に溶けていった。
「いいぞ!次、行くぞ」
「おう!」
__________________________
戦闘は順調に進んだ。
途中で湧き出てくるノープリウスの戦闘力は大したことがなく、ボスを相手取る片手間に処理できる程度だった。そして当のボスは堅固な防御と重量のある攻撃が厄介だったが、魔法耐性はそれほどでなく、物理攻撃も場所を絞れば問題でなかった。
「……ぉりゃ!!」
振り下ろされた巨大な鋏を押し返し、後方から飛び込んできたアルセとスイッチ。
助走の勢いを乗せた跳躍と最大強化された渾身の拳がクルスタシアの顔面をぶち抜く。
……信じがたい話だが、コイツの最大ブーストのパンチ(キック)は大型ボスでも強制的にノックバックさせる。
クルスタシアも例外ではなく、ひび割れた顔面を庇いながらよろよろと交代した。さらに―――
「ほら、後5秒で離れなさい。焦がすわよ」
その言葉とほぼ同時に悪寒が走り、丁度着地して体勢を立て直しきれていなかったアルセをボディーブロー気味に片腕で抱え、その場から離脱する。その瞬間、
―――ズガァァァァァン!!!!
ヴィレッタの放った雷撃がボスに直撃。同時にその巨体から炎が上がった。
二属性混合の上位魔法《雷火霹靂》
普通は大量の触媒を用い、2人以上のメイジ専門のプレイヤーが50ワード級の呪文を唱えるものであるが、彼女はそれを1人でこなす。
ALOにおけるMPの絶対値は各種魔法関連スキルの熟練度に比例し、彼女は火水土雷風闇光、さらに無属性魔法の八系統は勿論、魔法スキルの上位版複合魔法スキルから魔法防御スキルといったものを片っ端からマスターすることによってALOで飛び抜けて高い絶対値を持っている。
加えて彼女の長杖と付属品の鈴にはそれぞれ使用MPを節約する効果があり、ローブは伝説級にカテゴライズされるもので『最大MPを30%ブースト』というヴィレッタが着てはいけないシロモノだ。
これらの理由でヴィレッタはALO最強メイジの名を欲しいままにしている。
「おっかねー……」
アルセを下ろしながら(キリトじゃないからハプニングはなし)背後の光景を恐る恐る見やる。
こうしている間にもヴィレッタ以外のメイジがそれなりの高位スペルを悶えているクルスタシアに向かって放っているが、見比べるとどうしても見劣りする。
当のヴィレッタ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ