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自由の灯り
第二十六話
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「魔神剣!」

凄まじい気合いとともに双剣を同時に振るい、地面を裂く程の威力を誇る衝撃波を放つ。
地面を裂く衝撃波がサンドファングに激突し、後方に吹き飛ばす。
それを確認すると、カノンノは三つの炎の球を放つファイアボールを無詠唱で唱える。

「ディア、今だよ!」
「わかった!」

三つの炎の球はディアに向かってくると、ディアは腰を低く下ろしファイアボールを待ち構える。
炎の球が、ディアに当たる直前に、双剣をファイアボールにぶつけて剣先に灼熱の焔を纏わせる。
それと同時にディアの辺りに炎の渦が生じる。

「喰らえ!紅蓮剣!!」

空中に跳躍し灼熱の焔を纏った剣を振るい、巨大な業火の球体を放つ。
真紅の業火が一体のサンドファングを呑み込むと、小規模な爆発が起きる。

「これで、暫くは動けないはずだから今のうちにもう一体を仕留める!」

額に汗を滲ませながら、次のサンドファングに目線を移す。

「カノンノ、このまま一気に決めるよ!」
「うん!」

再びカノンノが魔術の詠唱に入り、ディアは力強く地面を蹴るとそのままサンドファングに接近する。

「せぃ!でやぁ!」

ディアは休むことなく双剣を振るい続け、負けじとばかりにサンドファングも後退しながら刀と遜色ない強固を誇る尾でディアの剣技を防いでいく。
しかし、ディアも徐々に距離を詰めながら、横にスライドするように、そのまま降り下ろしたり、回転斬り等、様々な方法で動きを読まれないようにサンドファングを追い詰めていく。

「ライトニング!」

カノンノが詠唱を終え、相手の頭上から落雷を落とす魔術を放ち、サンドファングを捉える。
落雷が落ちたことにより、動きが止まったサンドファングとの距離を一気に縮める。
ここで決めようと、そのまま双剣を頭上に掲げる。

「これで、終わりだぁ!」

両手で掴んでいる柄に渾身の力を込め、一気に降り下ろす。
だが、

「うぐっ!」

ドスッという、鈍い音が聴こえた後、ディアは腹部に強烈な痛みが生じたため苦痛に顔を歪める。
そして、それだけでは留まらなかった。

「っな!体が・・・!」
「ディア!!」

自信の体を見た瞬間、ディアは戦慄した。ディアの腹部は徐々に石のように固まっていき、腹部から足へ腕へと体全体を蝕んでいたからだ。
カノンノが絶叫にも近い声でディアの名前を叫ぶ。

「時間がかかりすぎたんだ・・!」

ディアの側には先程、紅蓮剣を放ち吹き飛ばしたサンドファングが、怒り狂いながらボロボロの体を無理矢理動かしてきて、自身の尾でディアを突き刺していた。
何とか打開策を考えるが、その前にディアの体は完全に石化により蝕まれ、動くことができなくなった。




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