最終章
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そのこれ俺は、氷河期プログラムの集合体の天辺で、一人立っていた。そして、座り、氷河期プログラムをなでながら、語り掛けた
手が冷たく、意識も飛んでしまいそうだが、今はこれしか方法がない
「なぁ、昔の龍次」
俺はふと、氷河期プログラムをそう呼ぶことにした
「お前は、この世界が大っ嫌いなんだよな。この世界は、狭い、汚い、大切なものも全部なくなっていく、最悪の世界だ。さらに時は止まることなく流れ、世界は自分を一人にする。さらに、両親の「天才は同じ場所に二人いてはけない」という考えは理解できなくて、両親がいた俺がうらやましかった。日本にいたかった。愛されたい欲求は、全部自分の中に閉じ込めた。そうだろう?」
氷河期プログラムは、返事をするわけでも何でもなく、ただ冷気を吹きあげた
「だから、こんな世界壊してしまおうって思った。だからこうした。でもな、今の龍次は、全然違うんだ。大人っぽくなったし、罪はすべて背負って認めたし、一人じゃないってわかった、寂しくないってわかった、世界を救いたいって思った、龍次は成長したんだ。だから、昔の龍次は、変わらなきゃいけないんだよ。昔のままじゃダメだ。一歩前に踏み出さないと。天才のお前は、動かなくとも何でもできた、勇気を出した一歩なんて踏み出さなくても簡単にできた。でも、今はそんなんじゃやってけない。だから、変わろうって思わなきゃ、孤独なら、みんなの輪に入ってみなきゃ。君は一人じゃない。一人なのは、寂しいのは、仲間を作ろうとしないから。でも、もう大丈夫、本当の本当に大丈夫」
そして、少しだけ手を温めて、もう一度氷河期プログラムに手を当て、こういった
「俺がいつまでも、龍次の友達だから。ずっと一緒の、家族だから」
言い終わったその時、俺の目の前は真っ白になった。何も見えない、何も聞こえない。俺は氷河期プログラムを壊せたのだろうか。かじかんだ身体じゃ、それすらも、感じない・・・・・
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