幼年期編
第2章
美琴ちゃんの彼氏(暫定)を餌付けしよう by 美鈴
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た男の子、名前を上条当麻というらしい。
ツンツンした髪の毛に小学生くらいの男の子、この子に私は見覚えがあった。あのテレビに映っていた子だ。
いまの時刻は午前11時半、小学生である彼が平日のこの時間帯になんでこんな場所にいるのだろうか?
そこまで考えて私はある推測に行き着いた。あの番組、不幸なことが起きる、そして学校に行かずにこんな場所にいる。
(いじめ…でしょうね)
子供は自分と違うものは排斥する傾向がある。多分に想像が含まれるが少年のクラスメイトの親御さんたちは少年に関わるなとでも言っているだろう。
そしてそんなふうな対象にされた少年が周りからいじめの対象にされるのはある意味必然であったのかもしれない。
そしてこれも推測だが少なくとも教員は静観の構えでいるのではないだろうか。
味方してあげたいけれどこの子だけ特別扱いできない、という類のほうであると信じたいところではある。
そんなことを考えながら私は美琴ちゃんと美琴ちゃんに膝枕されている当麻くんのほうをみる。
当麻くんの方は安心しきった顔で寝息を立てていた。そんな当麻くんを美琴ちゃんは私がいつも美琴ちゃんにしてあげている見よう見まねだろうか、やさしく彼の髪を撫でていた。
そんな美琴ちゃんの表情はかなり大人びて見える。
今年6歳になる娘に抱く感想ではないと思うがそう思ったものは仕様がない。まぁ普段から大人びた行動をとる子ではあるのだが。
…?そう考え少し違和感を感じたがそれはすぐに消えていった。
(これじゃ当麻くんとどっちが年上かわかんないわね〜)
「あれ、みこと?」
「あ、起きた?」
そんな風に考えているうちに当麻くんが目を覚ましたみたいだ。
「おれねてたのか…」
「うん、ぐっすりとね」
当麻くんはそういうとゆっくりと美琴ちゃんの膝から起き上がる。そして私の方に気が付いて少しおびえたような表情をした。
(こりゃ、友達のお父さんお母さんたちからもいろいろ言われてたんでしょうね…。ひょっとすると両親からも…)
「えっと、おねえさんだれ?」
「美琴ちゃんのお母さんの御坂美鈴よ。上条当麻くん」
わたしは当麻くんを脅えさせないように努めてやさしくこえをかけた。それにしてもわたしのことをお姉さんとは、この子よくわかってるじゃない。
「みことのおかーさん?」
「うん。わたしのママ」
当麻くんは美琴ちゃんの方を向くと確認をとる。というか美琴ちゃんにはこんなに信頼しきった表情を向けるのかこの子。
いったいわたしのいない1時間くらいの間に何があったんだろうか。
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