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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
八十二話:ラインハット国内事情
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様を」
「ああ。任せろ」

 保護者としてヘンリーを見張るよりも、護衛としてナンパ兵士を見張ることが優先されたらしい、ピエールの中で。

 私もお礼のひとつくらい言ったほうがいいのかなあ、と思いつつヘンリーの顔をチラ見すると。

「いいから、喋るな。黙ってろ」

 ですよねー。
 うん、私もそんな気はしたんだ。
 お礼の一言も無いとか、人としてちょっとどうかなと思っただけで。

 そんなわけで、そのままナンパ兵士のほうには全く顔を向けない形で抱き変えられて、ヘンリーに引っ張られて宿に向かって歩き出します。
 後ろでまたナンパ兵士が何事か叫んでピエールに制裁を受けた気配がありますが、もう怖いので気にしない。


 ナンパ兵士の声が聞こえない程度に十分離れたところで、口を開きます。

「……ゲームと、結構違った気がするけど。どういうことかな?」
「……これだけじゃ、まだわからない。けど、何も無いわけでは無さそうだ。とにかく、行ってみないと」
「うん。そうだね」

 国の状況は、ゲームよりはマシみたいだけど。
 それでも十年前と比べておかしくなってるのには変わり無いし、何が原因で違いが出てるのかわからない。
 ここまでの情報では、魔物が入り込んでいるのかいないのかさえも。

 ヘンリーが、私を抱く手に力が入ります。

「……ヘンリー。……大丈夫?」
「……ああ。大丈夫だ」

 太后様のことも、悪い人では無いとか言ってたしなあ。
 太后様もデールくんも、ヘンリーにとっては今生の家族なんだから。
 魔物に手を出されてるにしろ、そうではなくて単に道を誤ったにしろ。
 平気でいられるわけ、無いよなあ。

「……お前が、いてくれれば。俺は、大丈夫だ」

 なにか変化があるとすれば、それは私たちが。
 たぶんヘンリーがしたことと、きっと関係がある。

 良い変化だけなら、いいけど。
 良かれと思ってしたことが、悪い結果に繋がって無いとは限らない。

 私が、ずっと恐れていたように。

「大丈夫。私は、一緒にいるよ」

 少なくとも、この件が終わるまでは。
 私は、ヘンリーの側にいる。
 これまで、ヘンリーがそうしてくれたみたいに。

 ヘンリーに抱きかかえられて自由にならない腕をなんとか脱け出させようともがくと、見上げたヘンリーの瞳が不安に揺れて。
 また捕まえようとしてくるのを、される前に私から抱き返します。

 驚くヘンリーに、微笑みかけます。

「怖かったら、添い寝してあげようか?」

 驚いた顔が、少しだけ赤くなり。
 すぐに、顔を顰めます。

「……ピエールが、いなけりゃな……」
「そうだね、無理だね。ピエールがいるからね」

 まあ、
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