第四十四話 闇と銀
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
side ALL
銀色の閃光が全てを覆う。
しかし、それは闇の書の放つ禍々しい銀ではなく、命あふれる温かい白銀であった。
最初に違和感を感じたのは前衛の二人だった。
おかしい 威力が低すぎると。
手応えが軽すぎた。
これではスターライトブレイカーどころか、ディバインバスター並の威力しかない。
視界が開け、砲撃の余波で凍りつく街が姿を現す。
その中心にいるのは、二人の人影。
一人はもちろん闇の書、もう一人の方がなのはたちにとって問題だった。
「遼ちゃん!?」
「やあ、ギリギリ間に合ったかな」
そう、アースラにいるはずの彼女が、闇の書と対峙していた。
side 遼
その警報を聞いて、私は鼓動が早まるのを感じた。
「!? そんな……」
早すぎる、私がここに来てまだ一日くらいしか経ってないはずなのに、もう暴走!?
私はすぐに画面を開き、それを確認する。
「まずいことになった……」
「遼ちゃん?」
すずかも一緒に、画面を覗き込む。
「え!? ここって!」
そう、闇の書が暴走しているのは、まぎれもないはやての家の上空であった。
すずかがはやてのことを知っていたのは驚きだが、今はそんなことを疑問に思う暇さえ惜しい。
それに、闇の書の暴走が早まった原因については、心当たりがあった。
(守護騎士四人を蒐集すればそれくらいは可能だけれど、はやてがそんなことをするはずないし、一体誰が……)
考えられるとすれば、あの仮面の男。
あいつが闇の書を奪い、無理矢理に守護騎士を蒐集したと考えるのが普通だろう。
その証拠に。
「見つけた……」
画面の端、うっすらとだが人影が見える。
なぜか二人に分裂してはいるが、確かにあの仮面野郎だった。
内一人は、何か銀色の杖型デバイスみたいなものを持っている。
(……もし彼らが私の思っていることをやろうとしているなら、それは全くの無駄足で終わるだろうけど、これはちょっと見過ごせないな)
「すずか」
「なに?」
「ごめんね」
私は、素早くすずかの額を叩いて、脳を揺らす。
「え」と短い声を出した後、すずかは力なくベッドに倒れ落ちる。
すずかをベッドに寝かして、布団を頭でかぶせる。
(これで少しは時間を稼げるといいけど……)
この部屋に監視カメラがないことを願うしかない。
そのまま、出ていこうとして、あることを思い出して引き返す。
「これでよし……」
これで後は大丈夫。
「さあ、最後の戦い
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ