第四十四話 闇と銀
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一もなく、ただ周囲を凍らせる程度の被害にとどまる。
そしてその程度の威力など、今の私には何の効果もない。
閃光が消え、私はようやく闇の書を正面から見ることができた。
「遼ちゃん!?」
後ろからなのはの声が聞こえる。
それに私はいつも通りにこう返した。
「やあ、ギリギリ間に合ったかな」
side ALL
遼は振り向かずにそう言う。
「ダメだよ遼! 安静にしてないと」
「にゃはは、そ〜いうわけにもいかないんじゃない、戦力を出し惜しみして勝てる相手じゃないよ、っと!」
闇の書の魔力に変化があらわれたため、遼はそちらに集中する。
「戦場 遼、あなたも主と同じ、夢の中へ」
『Absorption(吸収)』
なのはたちの視界から闇の書と遼が掻き消え、別々の場所に現れる。
「残念だけど、私はまだ寝るわけにはいかないんだよね」
「夢の中ならあなたは幸せになれます、主もそれを望んでいます」
「けどそれは夢、幻なんて私には必要ないよ」
「それでも、私はあなたを連れてゆきます、主もご友人がいれば夢の中でも――」
彼女がその先を話す前に、遼は力いっぱい彼女を殴りつけた。
それには技のキレも速さもなく、当然腕を交差しただけで容易に防がれる。
「さっきから聞いてれば、主主って、あんたは何がしたいの!」
「私はただのプログラム、主はやての望みを叶える道具」
その言葉に嘘はない。
説得は無理、そう感じた遼はゆっくりと構える。
「…………そう、それなら手加減はいらないね」
遼の体を覆う魔力が、急激に高まる。
「まずは、あなたのそのふざけた幻想をぶち殺すところから始めましょうか!」
こうして、闇の書事件並びに、ブリュンヒルデ事件。
数多の歴史において多大なる犠牲者を生み出した二つのロストロギアの、最後の対決の火蓋が、切って落とされた。
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