第四十四話 闇と銀
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といきますか」
幸いにも、私が脱走したことはすぐにはバレなかった。
闇の書の起動で局員が混乱していたのもあっただろうが、少しばかり拍子抜けした。
そんな私は今、はやての家の近くを走っている。
飛んでいかないのはみんなに見つからないようにするためだ。
魔力をできるだけ抑え、隠れて彼女に近づく。
けれど、問題が一つあった。
氷の中で佇む彼女。
その彼女がクロノを無視してさっきからこちらを向いている。
「あれ? もしかしなくてもバレてる?」
彼女には広域探知能力でもあるのだろうか?
そう思っていると、急に闇の書がクロノの方に向き直った。
どうやら、なのはたちが到着したらしい。
そして闇の書は、突如現れた驚異に対して攻撃を開始する。
(!?あれって……)
虚刀流第二の構え『水仙』から繰り出される奥義、『花鳥風月』。
私が習得した技の一つだ。
血のにじむ思いで得た技を、見間違えるはずはなかった。
しかし、私のよりそれは範囲が広い。
(闇の書のアレンジ……、厄介だなぁ)
そんなことを思っていると、彼女がとんでもないことをし始めた。
(!!? やば!!)
銀色の光が彼女の頭上に集まる。
間違いなく、スターライトブレイカーだった。
「セットアップ」
『Jawohl』
甲冑をまとい、続けて相棒に命令する。
「ノートゥング、切り札お願い」
『Kampferform(ケンプファーフォルム)』
機械音が響き、ノートゥングがカートリッジを二発消費し、その姿を変える。
刀身も柄も消え、彼女の甲冑に溶ける。
必要最低限まで削られた装甲が、更に削られ、もはや腕と足以外の装甲はほぼないと言っていいくらいにまで薄くなる。
そして、腕と足に新たな甲冑をまとい、体のあらゆる部分から銀色の翼が出現する。
闘士形態、ケンプファーフォルムと呼ばれたそれは私の最後の切り札。
私の会得したすべての技を引き出せるように編み出した捨て身の形態。
「飛天御剣流……」
私は、腰を落とし、何もない空間にまるで刀を持っているかのように構える。
すると、それに合わせて氷が生まれ、即席の刀が出来上がる。
そして、私は足に力を込め、彼女の真上へと跳んだ。
「スターライトブレイカー!」
彼女がそれを放つその直前、私は一気に刀を振り下ろす。
「龍追閃!」
一閃、私はそれを縦に斬り裂く。
収束された魔力の塊は、突如加わった剣撃により、安定を失い、爆発した。
それは本来の威力の十分の
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