七話 「日々の鍛練」
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ずに続ける。
ホルダー内が空になり、無くなるごとに拾いに行ってはまた放つ。只ひたすらに、不甲斐無い己を上げるために。
もっとも、まだロクにできないのはしょうがない。
投擲練習を始めてからまだそんなに経っていないのだ。ある程度の基礎が出来、チャクラの扱いがそこそこ出来てからやっと始めた。そんなに早く当たるはずがない。
体作りに組手、チャクラの練習と続けてであり、投擲の時間もそう多くはない。それに、体も疲れているだろう。
だがそれでも甘いことを言うつもりはない。ひたすら白が繰り返すのを見、時たまその後ろで自分の体を動かす。
(もっと本数があればいいんだが……。探してみるかね)
そうすれば白と同時に自分も出来る。自分も一緒にすることはあるが、白に専念させることもあるのだ。
苦無や手裏剣はどうか分からないが、千本は医療用にも使われていたはず。探せばあるだろう。
そう思いながら、適度な所で俺は残っていた一本を白の後ろから打つ。
それは見せつける様に、的に刺さる。それに対し俺は何も言わない。
白は苦無を、無くなれば手裏剣を放ち続けた。
暫くし、ホルダー内を全て投げきった所で声を掛ける。
「今日はここまでで良い。片付けはやっとくから、そのまま帰って休んどけ」
ここで鍛錬を始め、既に数時間が立っている。途中途中で休憩を入れたりしたが、そろそろ止め時だろう。
見れば白は汗を浮かべ、白い肌を赤く上気させている。疲れ切っているだろう、無理は禁物だ。
「イツキさんはどうしますか?」
「いつも通りだ。暫くしたら家に戻る。体冷やさないようにさっさと帰っとけ、風邪引くぞ」
「分かりました。……先に失礼します」
そう言い、白は先に戻って行く。一人で帰しても、特に問題はないだろう。
白の姿が見えなくなったところで、的の所に行く。
そして、それを見る。
まぐれらしき数本を除き、的には当たっていない。的の枠外の木に当たっている。
つい思ってしまう。
(……化け物が)
枠外の木。
そう、的の括り付けられた木に集中して刺さっているのだ。
最初は後ろの土の壁に刺さっていたはず。それなのに、既にほとんどが木に刺さっている。
そこまで太い木ではない。板の枠外などそう広くはないというのに。
刺さっている物を抜き取り、戻る。
放つ。的に刺さる。放つ。的に刺さる。
白を帰し、一人になったこの場で何度となく繰り返す。
数十メートル離れた的。当てるのにはそれなりに技術がいる。
投げ方を覚え、その動きへの違和感を無くし、入ってしまう力を抜き、普段使わない筋肉を酷使する。
繰り返すことで重心の大切さを理解し、外してしまう事を繰り返し腰の重要さを知り
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