七話 「日々の鍛練」
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基礎が出来きっていない内になっても意味ないだろうが、属性変化だか性質変化の修業は年単位でかかるとかだったから、早い内にしておくに越したことはないだろう。
それと、と白の様子を見る。見る度に、才能の差を感じてしまう。
片手、なのは良い。そこまで気にはならない。だが、一つ違う。
白は甲を上にして指を開いているのだ。
(器用だね、ほんとさ……)
つまり、手は上に有るのに握っていないのだ。それなのに落ちていない。
まるでその球形が、白の手から生み出されたかのように思えてしまう。
その手には、水を回すのとは別のチャクラが集められている。
要は、原作であった木登りの縮小版だ。手にチャクラを集め、水風船を吸着している。それと並行して水も回している。
俺とて片手での吸着は出来る。だが、同時にやれと言われたらどちらかが下手になる。
明確な差を、どんどんと縮まる差を見せつけられる。一年後にはきっと、あらゆる点で以て負けているだろう。
今は水風船だが、木登り自体もすることはある。もっとも、それをする際には組手の時間を少し短めにして、だが。
そっちに関しても、もう少し扱い方になれれば、楽に登れてしまうだろう。
そんな事を考えながら、暫く回しつつ休む。
適度に体が休まり、体が冷えてしまう前に次に移るとしよう。
立ち上がり、先に次の用意をする。そうして戻り、水風船を回収する。
「次やるぞ次」
「はい」
ホルダーを渡す。次は投擲の練習だ。
苦無を二本抜き、体の動きを利用し、短く息を吐きながら一本を打つ。
「???ふっ!」
踏み込み捻り脱力し只流れるままに打つ。
???カツッ
それは狙い通り真っ直ぐに飛び、離れたところに置いた的に吸い込まれる様に刺さる。小さな乾いた音が鳴る。
円の中心ではなく、少し離れたところに刺さったが今はこんなものだろう。
本当なら腕だけで飛ばすのが理想だが、現状では高望みだ。
「今の程度はやれ。せめて当てて見せろ」
「……すみません」
白が投擲練習をし始める。
だが、芳しくはない。
的までの距離はけっして近くない。中々の距離がある。最大直径三十六センチ、もっとも小さくて六センチの丸が書かれた板がそこの木に括り付けてあり、簡易的ながらその後ろには土の壁がある。
白が投げた物は大体が土の壁に当たり、稀に的外の木に当たる。だが、的にはめったに当たらない。
何度となく繰り返し、その度に拾いに行き、また放つ。
それが何度となく繰り返される。
「重心を意識しろ。体幹を意識してずらさず、バランスを崩すな。特に仙骨の辺り」
「はぁ、ふぅ……分かりました」
白が苦無を放つ。放つ。放つ。ただひたむきに、文句ひとつ言わ
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