七話 「日々の鍛練」
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りながらにこやかに言う。
何度となくキツイ言葉を言っているが、一応理由はある。かなり情けないが。
あくまでも俺が欲しいのは白の力と、原作の様な道具染みた従順な関係だ。だが、どうすれば再不斬との様なあんな関係になるのかは良く分からない。
普通にしていても大丈夫だとは思う。だが、念には念を入れるべきだ。甘くしすぎて上下関係が薄まったりして良く分からない内に愛想を尽かされたり性格が変わっては困る。だから、再不斬の性格を思い出しながら考えた。
だからこそ鍛錬で叩きのめしその様を敢えてきつく言い、何度となく上下関係を忘れさせず、理解させる。原作の様な形に近づける。常にでなくていい、最初の内、せいぜい一年程度で十分だろう。あくまでも理解させ根付かせるだけなのだから。
これには直接的に出来る組手が一番であり、早いうちでなければならない。
何せこれをするにはこちらが負ける様では駄目なのだ。白の才能を考えれば、じきに抜かれるのは自明の事。本当に成長は早いのだ。ならさっさとしておくに限る。
悲しいが、一年後……いや半年後には立場は逆になっているだろうから。
よくよく考えれば力任せに女の子痛めつけてるみたいだが背に腹は代えられんし、ちゃんとした鍛錬だ。
それに、こんな風にしているのも鍛錬の間だけ。これ以外の時なんかは普通に接している。
もっとも、これで本当にいいのかは分からないし自信もない。だが、しないよりはマシだと思っているし、再不斬がぬるい言葉ばかりかけていたとは思えない。
フェイクを入れながら放たれた、脇腹狙いの中段蹴りをギリギリで躱し、咄嗟に右手で払う。そしてそのまま軸足を払い転倒させる。
地面に倒れた白に言う。
「立て。もう一度だ」
そのまま何度かし、暫くして組手を止める。
程よく汗はかいているが、運動のし過ぎで筋肉が痛みを上げる前に体を休ませる。
何度もし、大体白の体力がどの位かは大凡わかっている。既に白は肩で息をし、汗でうっすらと服を肌に張り付かせているのが分かる。この位が止め時だろう。
自分としてはまだ大丈夫だが、白の方が優先だ。
まだ成長しきっていない子供の内から無理はいけない。程々で止めなくては。
基礎鍛錬で体を作るのは重要だが、それを急ぎ過ぎて壊してしまえば意味が無い。
座らせ、水を渡す。
「ありがとうございます」
水筒を傾け、白が口をつける。
その間にカバンから物を出す。
「ほれ、次だ。休みながらやるぞ」
「……ふぅ。はい」
喉が渇いていたので俺も水筒の水を一口飲み、白にカバンから出した物を渡しながら近くに座る。
それは水風船だ。
それを手に持ち、いつも通り水を回す。なれた物で、水は随分と回るようになっ
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