七話 「日々の鍛練」
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のお茶を自分の湯のみに注ぐ。
楊枝で羊羹を切って刺し、食べる。美味い。おっさんに負けじとそのまま何度も手を動かす。
ふと見れば白は置かれた急須を両手で持ち、自分の湯のみに茶を入れる。その後羊羹に手を伸ばし、味わうように一切れ食べゆっくりとお茶を飲んでいる。
(……行儀良いな)
自分と比べ、何か恥ずかしく……思いそうになったが目の前のおっさん見て開き直る。まあいいか。
それでも食べるのをいったん止め、お茶を飲む。
「熱っ!」
甘さを流すために普通に飲もうとし、熱さに小さく呻く。
熱さを忘れていた。子供の舌にはキツイのでちびちび飲む。
「これ今まで食ったことねぇな。どこで買った」
「いつも饅頭買うとこです。何か試作品だとか。それより食いすぎ」
「白露屋だっけか。美味いモンだ」
そう言いながらおっさんは食い、時折茶を飲む。もっとゆっくり食えヤロウ。
そのまま三人で食べ、すぐさま羊羹一本食べ終る。
本当なら半分ほど残すつもりだったのだが、まあいいか。
「風呂入るとするかねぇ。おい、飯は今日誰だ」
「おっさんです」
立ち上がったおっさんに返す。
偏りはあるが飯は一応当番制だ。おっさんの頻度の方が俺と白より多い。
意外にもおっさんが一番上手く、順番的にはおっさん、俺、白の順だ。なんでも、長年独身男を甘く見るなだとか。泣ける。
俺も昔は一人で作ることが多く、記憶というか知識があるのでそこそこ作れるし後々の為にも色々練習もしている。
白は歳を考えれば一番下なのはしょうがないので作るときは大体手伝っている。飲み込みはかなり早い。
「俺か……めんどくせぇ。交換しないかガキ」
「その後代わってくれたことがないんで嫌です」
「ちっ。カップ麺にすっかねぇ……。なら風呂は後でいいか」
おっさんが湯を沸かし始める。
おっさんの料理は上手いが、ちょくちょくインスタントになることが多い。まあ、めんどくさいのは分かる。
特にすることもないので、白と一緒にどのカップ麺にするか選ぶ。
前醤油だったし豚骨でいいか。見れば白は蕎麦を選んでいた。意味もなく流石だと思ってしまう。
沸いた湯を注ぎ三分待つ。おっさんは醤油と味噌だった。
実にインスタントな食事を終え、おっさんは風呂へと向かっていた。
「この後、どうしますか?」
「やることないし、上行くか」
「はい」
白と二階の自室に行く。
まだ寝るには早いが、とりあえず布団を敷く。
敷き終わり、白に聞く。
「体の方は大丈夫か」
「特に痛みはありません。大丈夫です。気を使ってもらってありがとうございます」
「そうか。なら、柔軟するか」
白に背中を押してもらい、布団の上で柔軟をする
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