七話 「日々の鍛練」
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「はっ!」
発声と共に踏み込み、拳が伸びてくる。
その腕を外側にいなしながら掴み、捻り弾く。同時、体を捻り相手の懐に接近。そのまま体重をかけてぶつかり、バランスを崩させる。
相手の軸足を刈る様に足刀を放ち、相手の足が宙に浮く。
と、そう見えた瞬間、視界に刈られたはずの足が突如現れる。
見れば前後の足が左右逆になっている。接近と共に合わせて足を下げ、刈られる瞬間に地を蹴り自ら足を離していたのだ。
その足が、一直線にこちらの顔へと迫る。
「甘い」
が、それを力技で打ち払う。そのまま宙に浮いた相手に圧し掛かるように共に体を沈ませ、腹部に肘を打ち込む。
無論、全力ではない。それなりに注意しての一打だ。
仰向けに、その体がくの字に折れる様な錯覚に陥る。
「??ッア!? ぐっ……」
だが、それでも十分な痛みがあるのか押し殺した呻き声が上がる。
しかし、その苦しそうな声とは裏腹に足が別物のように蠢きこちらの腕に絡みつこうとする。
だが、痛みからかそれは遅い。声に気を取られず、肘が刺さり倒れきる寸前、すぐさま相手から離れる。
肘に伝わった感触からしても、痛みはあっても骨などには異常はないはずだ。僅かに潜められた相手の眉から、鈍い痛みが伝わっているだろうことが分かる。だが、まだ大丈夫だろう。
そう思い、感情を込めず淡々と言う。
「ゆっくりと深呼吸しろ。落ち着いたら立て、白。もう一度だ」
「……はい、イツキ、さん」
今日、何度も繰り返した行為。何日も繰り返してきた行いだ。
乱れた呼吸を戻しながら、白がゆっくりと立ち上がる。
俺の踏み込みと同時、潰された落ち葉が物悲しげな音を立てていた。
あれから数ヵ月が経った。
あの日の次の日から、鍛錬にいい場所はないかと探し始めた。そうして色々と聞いたり、探したりして見つけた場所がここだ。
背の高い木々が生茂り、人が余りこなさそうな森。
確証もないし違う可能性も高いが、原作で出た場所かもしれない。
おっさんは日中別で用事があるし、基本放任主義でいてくれる。
そのため、ここで白と共に鍛錬を始めた。
本を読んだりは家でも出来る。だからこそ、ここですることは基本それ以外のこと。
組手、チャクラ操作、投擲練習、術の練習が主となる。
教科書という物は偉大だ。何をすればいいか、基本なら書いてある。
筋トレ位なら分かるが、それ以外の事など昔親にほんのちょっと教えられた程度の自分には良く分からない所も多い。
その点、持ってきた親の教材を見れば組手の基本行動、型などが載っている。それに忍術とは違い、純粋な体術という事ならば教材になりうる本の類は探せばある。
そういった物で知識を得ながら、鍛
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