第四十一話 少年期【24】
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い状態なんだ。そこでブーフが手伝ってくれるのなら非常に助かる」
『ふむ』
「俺たちは調べ物のついでにお前のマスターについても調べる。ギブアンドテイクってやつだな」
つまり俺の選択は、今回あったことを黙秘する行為だ。まず褒められたことじゃない。無限書庫は管理局が管理を行ってくれている場所だ。ここにある本を所有しているという訳ではないが、勝手に持ち出してもいいものではない。
一応、それとなく副官さんにこいつがどういう扱いになりそうか聞いてみようとは思う。おじいちゃんたちなら話ぐらい聞いてくれるだろうから。大丈夫そうなら全部話して、貸し出し許可をもらおう。無理そうならまた考えればいい。
『それは、己の新たな主になるということか?』
「え、主ってブーフにはマスターがいるだろう。だから俺とお前は、うーん……友達にでもなるか?」
他に適切な関係が思い浮かばなかった。似たような関係だと、副官さんと俺の様な関係が当てはまる。あの人は上司という括りには一応入るけど、俺自身があんまりそう考えていない。たぶん前世の俺と年が近いからだと思う。
もし俺の年齢が前世と同じだったなら、友達になりたいって素直に言えたんだろうな。さすがに12歳差は大きいから仕方がないけど。おかげで副官さんとの関係は未だにどう言えばいいのかわからない。だけど、こいつは逆に年の差? なにそれおいしいの? ってぐらい離れすぎているから別に友達でいいかなっていう適当さになってしまった。
それに、俺はこいつを信じられるような気がした。魔導書だけど、誰かを思う気持ちは本物だろうから。なんとなくとしかそれは言えないけど、疑うよりも俺は信じたい。
『友、友か…。本の身である己に友とは』
「なんだよ、魔導書でも意思があるのなら友達にだってなれるだろ」
『そうか。手足がない己に友ができるとは思っていなかった。友とは肉体言語でできるものと聞いていたから』
「……ツッコまねぇ。お前の主関連はもうツッコまねぇ」
とりあえず俺がまずすべきことは、こいつに常識を教えることだと悟った。
「本当にいいのか。一応管理局とか教会とか、ブーフの力をもっと活用してくれるところはあるんだぞ」
『そうかもしれん。だが、ヴィンヴィンは己を目覚めさせてくれた。なにより故意ではなかったとはいえ、危険な目に合わせてしまったことは事実だ。力がいると言うのなら、手を貸してやりたい』
「そっか。そしてヴィンヴィンは確定なのか」
友人たちの気持ちがちょっぴり理解できました。
『ところで、確か何かが挟まっているってますたー言っていましたよね』
「あっ、忘れてた。なぁブーフ、お前の本の中にメモ用紙みたいなのが挟まっていたんだけど」
『ふむ、本当か?』
閉じら
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