第1章 僕と文月学園。
九時間目 許せない人
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る。
人に話したくとも、話せない。
迷惑になってしまうと思ってしまうから。
(明久、たぶん、根本のやろうのせいだ。)
(蒼空もそう思う?僕も)
「左側出入り口、教科が現国に変更されました!」
「数学教師はどうした!」
「Bクラス内に拉致された模様!」
現国なら、僕は得意だし、僕がいくか――
「私が行きますっ!」
姫路さんが戦線に加わろうとする。しかし
「あ......」
急に動きを止めてしまった。
まさか――
姫路さんの見ていた方向を見る。
その先には、窓際で偉そうに腕を組んでいる根本の姿があった。
「そこ、動くな!クソやろ――う?」
声が驚きで小さくなってしまう。
まさか、そこまでやるまい、と思っていたことをやられてしまったから。
――根本が腕組んで持っていたものは、姫路さんが大切そうに持っていた、そして、決して手に入れることのできない物―ラブレターがあった。
『―その手紙、いい返事がもらえるといいね』
『はいっ!』
明久がそう言った時、すごく嬉しそうにしていた姫路さんの顔が思い浮かぶ。
「―明久。今の見たか」
「―うん。見たよ」
あのクソ外道、ぜってぇ許さねえ。
―☆―☆―☆―
「「雄二っ!」」
「うん?どーした蒼空と明久。脱走か?そうならチョキでしばくぞ」
「話があるんだ」
代表して明久が言う。
「.....取り敢えず、聞こうか」
こっちがジョークに付き合ってられないことを察した雄二が真面目な顔で僕たちを見る。
「根本くんの着ている制服がほしい」
「....お前に何があったんだ」
まぁ、普通に考えると変態だけど、考えがわかるので何も言わない。
「ああ、いや、その。えーっと....」
明久が慌てている。
別に言い直さなくたっていいと思うけどな。
「まぁ、いいだろう。勝利の暁にはそのくらいなんとかしてやろう」
さて、明久はちゃんと許可もらったし、僕は自分のことをちゃんとやらないと。
「で、それだけか?」
「それと、姫路さんを戦線から外して欲しい」
「理由は?」
「理由は言えない」
明久が雄二と話している。大事なことは明久が言ってくれるだろう。
そう思いながら、自分の手をテーピングでぐるぐる巻きにしていく。
「頼む、雄二!」
「...条件がある」
「条件?」
「姫路が担う予定だった役割をお前がやるんだ。どうやってもいい。必ず成功させろ」
「もちろんやってみせる!絶対に成功させるさ!」
「いい返事だ」
「それで、僕は何をしたらいい?」
「タイミングを見計らって奇襲をかけろ。科目はなんでもいい」
「みんなのフォローは?」
「ない。しかも、Bクラス教室の出入り口は今の状態のままだ」
「.....難しいことを言ってくれるね」
テーピングで右手の
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