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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-43女王の国で
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逸らさないアリーナを、見定めるように女王が見つめ返す。
「……わかりました。ただし、全員を解放し、完全な自由を以て捜索に当たらせる訳には参りません。誰かひとりが残り、人質のような扱いを受けても良いというのなら。申し出を受け入れ、機会を与えましょう」
「ありがとうございます。頂いた機会を無駄にせず、必ず汚名を晴らしてご覧に入れます」
再び女王の御前を辞した一行は、拘束こそ受けないものの、衛兵に取り囲まれ監視を受けながら、地下牢に連れ戻される。
「アリーナってよ。王子様なんだな、ほんとによ」
「一応、そういうことになっているな」
「だから、そんな話はいいから。それよりも、誰が残るかだけど」
ミネアが手早く話を進めようとするのに、トルネコが応じる。
「そうねえ。今までの様子を見る限り、そうひどい扱いは受けないみたいだし。あたしが残れば、いいんじゃないかしら。」
「姐御は要るだろ」
「そうですよ。犯人だけでなく、ブロンズの十字架も探すことになるんでしょうから。トルネコさんとブライさんの能力は、あったほうがいいでしょう」
「戦いではあまり役に立てないから、いらないかと思ったけれど。そういうことなら、そうかもしれないわねえ。」
トルネコに続き、少女が口を開く。
「わたしは」
「ユウは駄目です」
「嬢ちゃんはねえな」
「それは無いだろう」
「ユウ殿は必要です」
「それでなくともユウちゃんを地下牢にひとり残すなど、とんでも無いの」
「そうですわ。いくら丁重に扱われるとは言え、子供がひとりで残るような場所ではありません」
「そうよねえ。それくらいなら多少の不便に目を瞑っても、あたしが残るべきね。」
少女が言いかけて遮られ、検討するまでも無く却下され、さらにトルネコが蒸し返したのを受けて、アリーナが言う。
「トルネコは、必要なんだろう。こんな狭いところでは碌に身体も動かせないが、それなら俺が」
「アリーナ様!いけません!」
「そうですぞ!王子をこんな場所にひとり残し、家臣の我らがおめおめと歩き回れましょうか!」
「しかし、ブライは必要なんだろう。いかに女性の城とは言え、女性に優しい環境とも思えないしな」
「……この程度!アリーナ様のためなら、耐えてみせます!」
主を守る使命感に燃えるクリフトを、ライアンが止める。
「いや、やはりクリフト殿のような女性には、この環境は厳しいだろう。女性とは言え軍人である私であれば、この程度。それこそ、苦にもなりません。ここは、私が」
「ライアンさんは要るでしょう。盗人の捕縛に向かうんですから、プロの手はあったほうがいいです」
「だな。それに、嬢ちゃんを守るんだろ?離れてどうすんだよ」
「むう。言われてみれば」
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