暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
時宮遭遇
Trick51_聞いてほしい。君の知らない物語を
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
振り返事した。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+


(なんで、だろうな)

今、自分の胸の中には最愛の人がいる。

目が見えない、話す事が出来ない少女。

少女は、この状態になってしまったのは間違いなく自分に関わりがある。
襲撃したのは“時宮”(ときのみや)。

そして狙いの原因には少なからず自分が含まれているだろう。

敵対している信乃の知人。これ以上関わらせないための脅しとも考えられる。
症状がこんな状態になったのは自分が原因だと少年は考えていた。

(なんで、だろうな)

それでも、自分に危害が加えられてなお、少女の想いは変わらずにいる。
否、想いは強くなっているとさえ思う。

この数カ月間一緒に住んでいたが、それは互いに支え合っているだけだった。
特に恋人らしい触れ合いは無かった。

それが襲撃直後には24時間×3日間も触れ合い続けている。
昨日に至っては、愛の告白さえ言われた。


少年は、よくわからなくなっていた。


確かに自分は好かれていると思う。

少女の両親が亡くなり、少女を支えた。

数年間、唯一の家族として過ごした。

恋人と同じように触れ合いもあった。

だが、それは、4年前のことだ。


今の自分は、あの頃と絶対的に違う。

人を殺した。
少年の身を案じてくれる少女を無視して、怪我をする戦いを続けた。


そして、少年の関係者だという理由で、少女は襲われた。


でも、少女は変わらない。
少年を想い続けている。


(なんで、だろうな)


少年は答えを出す事が出来なかった。


少年は自分自身が嫌いだった。

元々自分を嫌いだったわけではない。

人を殺し、自分の身を考えない、そして関係者を巻き込むほどの敵を作った
4年の歳月を得て自分が嫌いになった。

(だったら・・・・知ってもらわないとな)

これを知ったら自分と同じように、少女は少年を嫌いになるかもしれない。

だけど、このままで良いはずが無い。
少女が好きなのは、綺麗な頃の少年のはずだ。

少年が自分を嫌いなのは汚い自分だ。

少女は少年の汚い部分を知らない。
なら知ってもらうしかない。

知っても、少女の気持ちが変わらなかったそのときは・・・・


「美雪、聞いてほしいことがある」

少年の問に、少女は首を縦に振り返事した。

少年は、信乃は覚悟を決めた。
少女に、美雪に自分を知ってもらうために。


-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ