時宮遭遇
Trick51_聞いてほしい。君の知らない物語を
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振り返事した。
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(なんで、だろうな)
今、自分の胸の中には最愛の人がいる。
目が見えない、話す事が出来ない少女。
少女は、この状態になってしまったのは間違いなく自分に関わりがある。
襲撃したのは“時宮”(ときのみや)。
そして狙いの原因には少なからず自分が含まれているだろう。
敵対している信乃の知人。これ以上関わらせないための脅しとも考えられる。
症状がこんな状態になったのは自分が原因だと少年は考えていた。
(なんで、だろうな)
それでも、自分に危害が加えられてなお、少女の想いは変わらずにいる。
否、想いは強くなっているとさえ思う。
この数カ月間一緒に住んでいたが、それは互いに支え合っているだけだった。
特に恋人らしい触れ合いは無かった。
それが襲撃直後には24時間×3日間も触れ合い続けている。
昨日に至っては、愛の告白さえ言われた。
少年は、よくわからなくなっていた。
確かに自分は好かれていると思う。
少女の両親が亡くなり、少女を支えた。
数年間、唯一の家族として過ごした。
恋人と同じように触れ合いもあった。
だが、それは、4年前のことだ。
今の自分は、あの頃と絶対的に違う。
人を殺した。
少年の身を案じてくれる少女を無視して、怪我をする戦いを続けた。
そして、少年の関係者だという理由で、少女は襲われた。
でも、少女は変わらない。
少年を想い続けている。
(なんで、だろうな)
少年は答えを出す事が出来なかった。
少年は自分自身が嫌いだった。
元々自分を嫌いだったわけではない。
人を殺し、自分の身を考えない、そして関係者を巻き込むほどの敵を作った
4年の歳月を得て自分が嫌いになった。
(だったら・・・・知ってもらわないとな)
これを知ったら自分と同じように、少女は少年を嫌いになるかもしれない。
だけど、このままで良いはずが無い。
少女が好きなのは、綺麗な頃の少年のはずだ。
少年が自分を嫌いなのは汚い自分だ。
少女は少年の汚い部分を知らない。
なら知ってもらうしかない。
知っても、少女の気持ちが変わらなかったそのときは・・・・
「美雪、聞いてほしいことがある」
少年の問に、少女は首を縦に振り返事した。
少年は、信乃は覚悟を決めた。
少女に、美雪に自分を知ってもらうために。
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