時宮遭遇
Trick51_聞いてほしい。君の知らない物語を
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な気がするな」
朗らかに笑い、美雪もその笑った声につられて微笑した。
その顔を見て信乃は不覚にもドキっとさせられた。
ここ数日で初めて見せた顔、それも最愛の人の笑顔。
満々の笑みではない。この数日の精神的疲労で陰りがある微笑。
だが、その微笑が逆に儚げな美しさ際立たせていた。
≪信乃、聞いてほしいことがあるの≫
「ど、どうした美雪?」
≪あのね、小さいころからずっと言い続けていた事だけど、また言うね。
信乃、大好き、愛している≫
声には全く出ていない。こんな状況だから逆に回りくどさも、変に格好を付けた言い回しをしないでストレートに今の、今までの気持ちを美雪は言った。
≪私、小さい頃はお兄ちゃんみたいな感じで信乃が好きだった。
でもね、いつの間にか異性として好きになっていた。
本当にいつなのか分からないくらいに自然に、当然のように信乃が好きになっていたの。
だから・・・・だから信乃がいなくなった時は、4年前に死んだって聞いた時はショックだった。
本気で自殺も考えた。鈴姉ちゃんがいなかった間違いなく自殺していた。
私にとって信乃は全てだったから。
そして、数ヶ月前に戻ってきた時は嬉しかったよ。
生きていて、本当に良かったって実感した。
信乃が私を避けていた時も、それはそれで楽しかった。
信乃がいるだけで私は幸せなの。
これからも信乃と一緒にいたい。
それこそ何十年も一緒に暮らして、おじいちゃんとおばあちゃんになるまで。
信乃、心の底から愛しています≫
言葉を紡ぐ度に顔が赤くなり、最後の一言を言う時には美雪の顔は真っ赤になっていた。
正確には伝わらないだろうが、一世一代の大告白をしたのだ。
言いきった後、さすがに恥ずかしくなり、誤魔化すようにゆっくりと口を動かした。
≪ し の あ り が と う≫
ここまでゆっくりと口を動かせば、馬鹿でない限り伝わるだろう。
今まで言ったことは告白ではなく、感謝の気持ちだと誤魔化して美雪は再び
信乃の胸に顔を埋めた。
ドクドクドク
抱きついた信乃の胸から大きな心臓の音が聞こえた。
(なんだ、信乃ってば、お礼を言われたくらいでこんなに照れなくてもいいのに)
告白をした達成感と、緊張、そして信乃の温かさに美雪は目を閉じた数秒後には意識を離して眠りについた。
(まさか、真正面から告白されるとは思わなかった・・・・やばい、顔が熱い/////)
美雪が眠りについて10分後、信乃はフリーズから解放されて
顔を真っ赤にさせていた。
声のない大告白。聞こえないからこその美雪の行動だったが、大きな誤
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