プレイバック Part.1 その2
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ビアンカは黙ってて! アレを恐くないって、感覚おかしいよ!」
だがアルスからの反論は、更に私を侮辱する様な内容で怒りが増してきた。
何かを言い返そうと思いアルスを睨み付けていたのだが、突如剣を手にすると床をコンコン叩いて歩き回ってる。
オバケのボスは何かを言っているのだけど、アルスはそれを気にする事なく、不思議な作業を続けてる。
疑問に思いながらもアルスの後に付いていきながら、辿り着いた先はボスの真横だった。
まるで何かを避ける様な感じにボスの側までやって来たアルス。
そんな彼を見たボスは「え、えぇ〜い……礼儀を知らぬガキ共じゃ! 目上の者に対し横から話しかけるとは何事じゃ! しょ、正面に回って話しかけよ!」と言って怒ってる。
「ヤダよ……だって落とし穴に落ちたくないモン!」
だがアルスは突然奇妙な事を言い出した。
落とし穴……? 何のことを言ってるのだろう?
「な、な、な、何を言ってる……お、落とし穴なんて此処にはないよぉ!」
アルスの言葉にあからさまに動揺するボス。
「でもコレ……スイッチでしょ?」
そしてボスの事を無視する様に、手摺りのスイッチを押すアルス。
「ほら……スイッチ押した途端、落とし穴が開いたよ。あなたの正面に居たら、僕達は落とし穴に落ちてたよ。こんな間抜けな罠に引っかかる奴居ると思ってたの?」
「何故だ……何故この落とし穴の存在を知っていた!?」
そうだ……何故だ!? 何でアルスはそんな事を知っているのだろうか?
「僕達はここへ来る前に、地下の台所に行ったんだ。其処ではガイコツ達が大きなお皿に料理の準備をしていた……とても普通の食材が乗るとは思えない。で、食材は人間……それも子供だろうと考えたんだ」
「だ、だが……それと落とし穴と何の関係がある!?」
「オジサン馬鹿だろ! あの大皿の位置は、オジサンが座ってる玉座の前の真上なんだよ! オバケ達に怯えていても、僕は周囲の状況をちゃんと見ているんだ! オジサンが今にも押したくて手すりのスイッチを撫でてたのも、ちゃんと見てたんだよ!」
凄いわ……この子は戦う事だけ出来ないけれど、それ以外の事には頭が回る凄い子なのね!
そう言えば森を抜けず安全なルートを提示したのもこの子だし、頭は良い子なのかもしれないわ。
だからこそ戦闘が恐く感じるのよ。
「くっ……」
作戦を見破られたボスは、悔しそうにスイッチを押す予定だった指を睨み付けている。
こんな小さな子供に見破られたのだから、相当にショックなんだろう。
「僕はオジサンと違って臆病なんだ。オバケは恐いし、地下に居たガイコツも恐い。今だってオジサンの事が恐くて仕方ない。でもね……馬鹿ではないんだよ。オジサンと違ってね!」
更なる嫌味で精神的ダメージを増大させる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ