拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 馬正 関羽 張飛 趙雲
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憩とする! 休め!」
「ハッ!」
私の言葉に直立不動で答えたのち、それぞれがその場で休みはじめる。
私も馬を降りて、布で汗を拭った。
「将軍……御遣い様が参られました」
「ん。報告ご苦労……ご主人様、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございます」
歩いてくるご主人様の前に、私が跪く。
その様子に、それぞれ休んでいた兵士たちも、同じように頭を垂れた。
「ああ、気にしなくていい。皆も休んでくれ」
ご主人様は、馬にも乗らずに丘の上まで来たにも拘らず、息一つ乱れていない。
やはり、ご主人様の体力は鈴々並ということだろう。
「調練は進んでいるようだな……先ほどの行軍を見ていたけど、隊列に乱れがなかった。さすがだよ、愛紗」
「もったいなきお言葉です」
頭を垂れつつ、内心では……ぐっ、と拳を握る。
(ご主人様に褒められた……よくやったぞ、貴様達)
私は、ちらっと兵たちを見て、そう思う。
「愛紗が今率いている第一軍は、武官候補でもある……調練は兵としてだけでなく、隊長としての認識も教えてやってくれ」
「はい。その辺りは座学を開いております。私一人でなく、朱里や雛里と分担して行っております」
「そうか……近々、増員も考えている。先達として新人への教育も視野にいれるようにしてくれよ」
「御意」
そうか……ここからさらに人員が増えるのだな。
以前から雛里が言っていた百人隊長をまとめる千人隊長の件。
ご主人様ならご存知であろうから、そちらも視野にいれろ、ということですね?
「よし……ところで、鈴々はどうしたんだ? 一緒に調練しているものと思ったが……」
「ああ、鈴々でしたら間もなく……ご主人様、あちらです」
「ん……あの丈八蛇矛は鈴々だろうけど、なんかに乗ってないか?」
ご主人様が、丘の下から土煙を上げる鈴々の姿を見る。
その土煙の先端にいる鈴々は、確かに何かに乗っている。
「ご主人様……あれは、鈴々が最近飼いだした豚です」
「豚ぁ!? 豚ってあんなに早く走れるのか!?」
ご主人様が驚いている。
私も最初は驚いたものだが……それを手足のごとく操る鈴々を見て、なにも言えなかった。
「お兄ちゃ〜ん!」
ブンブンと手を振る鈴々。
その後ろには……
「うわっ……すごいな。あの速さに着いてこられるのか」
ご主人様が、鈴々の後方から全速力で走り続ける兵の一団を見て、うめき声を上げる。
どの兵の形相も必死で、汗を滝のように流しながら走っていた。
「よーし! 皆、休憩するのだ! 足はよく揉んで痙攣には気をつけるのだ!」
鈴々の言葉に、到着したものからバタバタと地面に倒れていく。
その
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