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無の使い手
ブルー編
能力
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はない。違うかね?」
あんまり僕は戦いを好まない。
しかし、幼馴染みを助けるためだ。
和葉はブラックだけど女性なんだ。
なら、男の僕が助けないでどうする?
「……」
「……」
お互いに睨み合う。
「まったく、じゃあ二人で戦いなさい」
世界が創り変えられた。
そこは青い草原の大地。
邪魔するものは何もない。
「君はMetaverse(メタバース)を知っているかね?」
発音から察するにUniverse(うちゅう)の一種だとは思うが……。
「どうやら知らないみたいだね。 ならば特別に教えよう。 既知の集合する宇宙のことだ」
既知とは、言い換えるならデジャヴュのようなもの。
この匂いは嗅いだことがある。
この人と会ったことがある。
それが既知。
「私は道しるべを見つけたよ。 故に君にはここで和葉(めがみ)の糧となっていただく」
それは既知の集合であった。
東が今まであってきた既知の数々。
「おぉ!」
僕は負けるわけにはいかない!
必死に僕の能力を発動した。
『無』それこそが僕の能力。
といっても、未だに何かを無に還すなんて芸当はできない。
いや、できないのではなくやらなかったという方が正しいだろう。
誰かを傷つけるのが怖くて、誰かを失わせることが怖くて……。
それでも、今だけは勝たなくてはいけない!
「くらえ!」
東を無に還した……はずだった。
「なんだそれは? もうその攻撃は何度もくらったぞ。 そんな既知で私を倒せるものか」
冷や汗が流れる。
東の能力は『既知』なのだろう。
東は『未知』によってしか倒せない。
「超新星爆発」
東の赤色のバッチが光ったような気がした。
僕はなすすべもなく飲み込まれた。

「生きていたか。 運のいい」
摂氏2兆度を軽く超える既知の「超新星爆発」を食らっているとき、やつは「無意識」に能力を体の周りに展開し、温度を防いでいた。
といっても爆風までは全て防げているわけではなかった。
しかし、温度だけは完全に防いでいた。
Multiverse(多元宇宙)くらいなら掌握している「既知」の「超新星爆発」をだ。
つまり、やつの能力は私の知らないモノ。
私を無に還す攻撃で"無"でも操るのかと思ったが、根本的な本質の能力は別だろう。
「面白いぞ」
この学校にはまだまだ私の「未知」がありそうだ。
だからこそ私は「レッド」なのだろう。
さて、戻ったら本来の教室1-3-2に戻らないとな。

「あらら、ボロボロだね」
世界を元に戻して、初めに発した言葉がそれだった。
「やっぱり、初戦レッドは厳しかったかな」
「あなたも人が悪い。 私にこのようなことをさせて」
「私は神無のことが解りたいと思っている。 そのためならなんでもする」
「体を売ったりも?」
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