例えばこんなことがあった後でも人はまた立ち上がる
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そう言って博士は私の胸のコアがある辺りをつついて私の無駄にデカい脂肪の塊がぷるるんと揺れた。もし博士が男だったら完璧にセクハラである。
「この子だけはねぇ、何をやっても目を覚まさなかったんだ。産声さえ上げてないのにあれだけの力を発揮してるんだ。きっとこの子は―――いや、どうだろうね」
そう物憂げな顔をしつつさり気に胸を揉もうとしたので引き剥がしておいた。アンタは助平親父か。
「あぁんいけずぅ!・・・っとそれは置いておいて、ISに産声をあげさせるのが母ならば、この子の母は君だよ。育児放棄しないでね?」
「眠れる獅子は眠ったままかもしれないのに?」
「鼓動を感じるんだ。きっと君の肯定した感情を吸収して外に出たがってる。もうすぐ生まれるから・・・そうなったらこの子は君の子だよ。沢山話しかけて、沢山飛んで、沢山の経験を積ませて・・・そうすればP2は無から一になる」
結局何が言いたいのかは分からなかったが博士はそのまま行ってしまった。何ともまあ意味不明だ。だが一つだけ分かったことがある。
・・・4月下旬ごろに考えてた「ISコアがオウカに懐柔されている可能性」は完全に、いっそ清々しいほどに見当違いだったみたいだ。あの頃の間抜けな私を無性にをひっぱたきたくなった。
7月9日
私の身の上と体の事、ニヒロの事を簡単に真田に説明した。こいつ絶対どこか勘違いしてるが大体伝わったからいいだろう。・・・あ、私の実年齢伝え忘れてらぁ。まぁいいか。傷もすっかり治った。骨折治すのにギプスは要らんのかと思うかもしれんが、生憎骨は結構改造されてるのでギプスなしに元の形に復元されるんだ。
・・・ニヒロが産まれるとかの話で思い出したがアートマンが作ってるとか言う人造人間はどうなったのだろうか。聞くのが非常に怖い。
そして篠ノ之は悩みを吹っ切ったようだ。初恋の呪縛から解放された篠ノ之は随分爽やかな顔をしている。あいつはこれから普通に恋をすることが出来るだろう。ただ、その向かう先は明らかに変わっているが。
私も少しトラッシュに似てきたのかもしれんな。気付いているか真田?初恋を預かった責任と言うのはつまり、あいつに好きな相手が現れなかったらお前が嫁に貰わなきゃならないという事だぞ?
篠ノ之博士の妹と博士に繋がりのあるお前のカップルとなると国の方も怖くて手が出せんだろうなぁ。真田は所属が日本だから下手すれば公認か?いつ気付くのか楽しみだ。
アリスは既に別の任務に向かったのか姿は見なかった。あいつにもそのうち一言礼を言っておこう。踏ん切りがつかなかった私に切っ掛けを与えるつもりだったんだろうからな。意外とそういう謀をするやつなんだ、あいつは。
・・・そういえばあのウツホとかいう奴は結局どうなったん
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