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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第156話】
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「うふふ。ヒルトはお母さんのハグ、いらないの?」

「……バカ、流石にそういうのは出来ないって」

「あらあら?残念ねぇ……でも――」

「……?」


 ハグしていた美冬を離すと、母さんが俺に近づいて来て――。


「えいっ♪」

「のわぁっ!?な、何だよ母さんっ!」

「うふふ。ハグよハグ♪無理矢理じゃないと、ヒルトはハグさせてくれないもん」


 言って、無理矢理首に腕を回して抱きつく母さん。

 端から見れば、これも恋人同士に見えそうで困るのだが……。


「ん……じゃあヒルトにハグもしたし、そろそろお母さん達は行こうかしらぁ」

「もぅ行っちゃうの?」


 そんな落ち込んだような声の美冬に、親父が――。


「あぁ。――八月には俺も真理亜も帰ってくるから、それまで我慢しろよ。ワッハッハッ」

「……わかった。待ってるからね、お父さん、お母さん」

「うふふ。じゃあね、ヒルト、美冬ちゃん」

「あぁ。――親父、母さん。シャルとラウラ、未来が二人によろしくだってさ。セシリアには聞けなかったが、多分セシリアも同じ様に言うと思うが」

「そうか。――何にしても、またラウラとはサバイバルしたいもんだぜ」

「うふふ。サバイバルじゃなく、キャンプ何かはどうかしらぁ?」

「おぉっ!?それは良いアイデアだな!――じゃあな、ヒルト、美冬」

「うふふ。またね?」


 そう言って親父と母さんは花月荘を後にする。

 静寂が立ち込めるロビーに、美冬の声が――。


「……行っちゃったね」

「……だな。まあ寂しいかもしれないが、美冬には皆がいるさ。……な?」

「……うん」


 静かにそう告げると、美冬は黙って瞳を閉じる。

 寂しくないと言えば嘘になるが、親父と母さん……また帰ってくるって言ってたからな。


 そう思い、俺は親父と母さんが出た花月荘の出入口の先を見つめた――。
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