一部
出逢い
これが世界を牛耳ってる男ですか、、、、!?
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
パターンじゃないですよね?」
マリーに図星を突かれてキャスパーは口ごもった。
「う…」
「ああ、やっぱり! 逃げちゃ」
「そこにあるもの、先に食べてていいですから」
「キャッホーーーーーー!!!!! どうぞいってらっしゃーーーいッ!!」
「君はホントに単純明快でいいね。っじゃ」
キャスパーは一言残すと、鼻歌をたらしながら右手をふって出ていった。それに伴ってチェキータも部屋を出ていく、とその前にドアの前で足を止めた。そこでチェキータは振り返らずにマリーに話しかけた。
「ねえ? マリーちゃん」
「むしゃむしゃ…ん? なんでしょうか?」
マリーは口の中に肉をほおばっていた。食の手を休めずに答えた。
「貴方嫌な雰囲気が分かるって言ってたわよね」
「確かに言いましたけど…。それがどうかしましたか?」
「ううん。何てことのない話なの。聞き逃してくれてかまわないわ。
でもね、それって―――すごく残酷な話よね」
その言葉で次の肉にのびていたマリーのフォークが止まった。ごくり、と口内の物を呑みこんだ。
「今の…もしかしなくても同情、ですか」
マリーの言葉尻が急に冷気を帯びたものになる。
それに対してチェキータは平坦な調子で言った。
「別に。私は博愛主義者でもとちくるった聖職者でもない。真っ赤なヴァージンロードを歩く汚い女だからね。同情なんてしないよ。
ただ、さ。貴方みたいな女はごまんといるって話。全くもって酷い世界さね、ここは」
「言葉を濁しますね。何なんですか一体!」
ついに苛立ちの限界を迎えたマリーが立ちあがって叫んだ。そこで漸くチェキータは振り返った。
「クールダウン。落ちついていきましょ」
「あなたの方が焚きつけたんじゃないですか!」
「そう、だったかしら。ああ、ごめんなさいね。私って直接的な言い方しかできないの。もうマリーちゃんの過去を詮索するような事は言わない。
きっと私の過去と、そう大した違いはないでしょう。だけど、たった一つだけ」
「……なんですか」
「自分の意思をもって生きなさい。この世界は何にもない奴から先に死んでいくわよ」
その時、廊下からキャスパーの声がした。急かすようにチェキータの声を呼んでいる。
「ああ、はいはい。今行くわ、キャスパー!
…それじゃあね。マリーちゃん」
チェキータはにっこり笑ってキャスパーの元へ去って行った。ガチャン、とドアが閉まる音がした。マリーはすとんと椅子に坐り直して自嘲するように言った。
「そんな事…言われなくても知ってるよ。チェキータさん」
チェキータはキャスパーと共に店を出て、フロイドを探す素振りもなくヘリ目がけてまっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ