六話 「波の国」
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よく来たもんだな」
「保護者の都合で、来たかったらしいです。色々あったらしく」
「へー、幼い身空に大変だな。確かに五大国なんかと比べられりゃどうか知れんが、ここの国は良い場所だぞ。活気もあるし、十分賑やかだよ」
(……にこやかに、言わないでくれ)
「ええ……そう思います。後、一つ良いですか?」
「何だ?」
そして、一番気になっている言葉を口に出す。
「カイザ、ガトー。この名前を知っていますか」
ある種、自分の命を握る言葉。
この為の会話。これを聞くために近づいた。
饅頭と格闘していた白に一瞬視線を飛ばす。
「?」
白が小さく首を傾げるのを見てこりゃ駄目だとすぐさま視線を戻す。
……まあ、事前に何も言ってなけりゃ分かるわけないよね、うん。そもそもそういった教育とか全然してないし。会ってからの日数まだ一桁だし。
相手の反応、その一つとして逃すまいと注視する。
「カイザ、ねぇ……うーん、聞いた事ないな。ガトーってのはあれか、あのなんかの会社だかの金持ちの。名前ぐらいしか知らんが。何かあるのかい?」
「いえ、来る途中でちょっと聞いたので気になっちゃって。ガトーさんて有名なんですか?」
「まあ、そうだろうな。でっかい会社の会長さんだとか。色々外では有名らしいからそれで聞いたんだろう」
「へー、そんな人なんですか」
(外、ね。まだ来てないな。時間列的に見ても当然か)
カイザがいつ来たのか詳しくは知らんが、確かガトーが来たのは原作の一年前から二年前だったはず。
イナリ……って何歳だっけ?
まあ、原作の時ナルトより下だろうから十前後。カイザと会ったの五歳以降頃と考えれば、カイザが来たのは原作四年から三年前か。
白の年齢、火の国での事などから色々考えれば、多分今は原作八から十年前ぐらい。
なら、まだ両方とも来ていないのが当然だな。
(この様子ならガトーは手を出してない、か。じわじわ地盤からやってったかと思ったんだけどな)
ガトーは一年二年で一気に掌握したのかね、これは。それとも、もう少ししたら来て気づかれないようにじわじわやって原作間際で表に出すのか。
とりあえず、カイザが一つの目安ということだろう。気をつけんとな。
……九尾騒動の詳しい日程が知りたいです。色々調べんと。
手に持っていた饅頭を一気に食べる。
何気に結構でかいなこれ。俺がガキだからか。
「それじゃ、ありがとうございました」
「おう」
「じゃ、行くぞ白」
「ん、モキュ、ハフッ……ん…っんく。はい、わかりました」
可愛いなオイ。
自分の分を食べきった白と歩き出す。
「じゃな、また来てくれよー」
手を振るオッチャンに小さく手を振り返し、背を向
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