六話 「波の国」
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かと思い出す。窓が開かないことか? そういえば押入れが汚れてたりもしたけど……
おっさんの様子に、そういえば、と二三時間前の事を思い出す。
「そういえば、あの家具とか運んできてた人達とも話のネタになるとか色々話してましたけど……」
「あー、聞いてたのか……。まあ、ならいいか」
そういい、白に聞こえない様に更に声を抑えておっさんが話す。
「(ここってさ、かなり安いんだよ。その理由を教えてもらった)」
「(はぁ……)」
「(前住んでた家族は他に移ったとか言われてたが、それ違うらしいんだよ。いや、家族は住んでたんだよ。それも結構仲良かったらしいけど)」
(へー。……ってあれ?)
何か嫌な予感がしてきたぞオイ。安い理由……なんだよな?
安くなる理由で、家が空いてて、移ったんじゃない……だと。
「(でな、仲良かったんだよ。だけどある日、その……母親がアレだ。子供とか父親とかにちょっと刃物でお茶目しちゃったらしいんだよ)」
(ドンピシャー!? 理由って人死にじゃねーか!!)
「(で、父親は先に渡っちゃったらしいんだよ)」
綺麗な川をですね。分かります。
「(残った子供を奥の部屋に閉じ込めたらしいんだよ。開けられない様に窓曲げて。ドアには外から木挟んで。その後の詳しいことは分からんが、見つかった時子供は押入れの中にいたらしいんだよ)」
ちょ、押入れの汚れ……
「(母親の方は見つからんけど、近所の話だと水に何か落とすような音が聞こえたらしいし。で、誰もいなくなって凄まじく安くなって今に至る。で、だ。要は……何かあったら教えろ)」
「(何かってなんだー!)」
あれか!ポルタ?なガイストか!! 声でも聞こえんのか!!!
「(ほんと安いんだよ。だからさ……)」
おっさんがこっちの肩を掴み???クルリ。
「早く寝ろよお前ら!」
バタン!
ドアが勢いよく閉まる。そしてすぐさま階段を下りていく音が聞こえる。
あのおっさん、だから下選んだのかこの野郎!!
「どうかしたんですかイツキさん? イオリさんと何か話してましたが……」
白が話しかけてくる。だが、何を言うべきか……
「ああ、うん。特に何もない。あんまり夜更かしするなよってさ」
「そうですか。イツキさん、この後はどうします?」
言う必要ないよね。うん。
この事は後回しにしよう。そもそも何しろってんだ。
よくよく考えてみれば、俺もある意味仲間……なのかね。
そう思い、白の言う事について考える。
おっさんは下にさっさと行きやがった。個人宅だし、眼を気にする必要はない。
色々やるとしよう。
「寝るのなんかまだ後でいい。目もない事だ、水風船とかと違い人前で
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