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弱者の足掻き
六話 「波の国」
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ありません」

 キリッ!



 手抜き飯を食べた後、ゴロゴロと食後の休憩を過ごしていた。まだ布団の袋は置いてある。
 布団を運ぼうと思ったのだが、汚れている状態で運ぶよりは風呂入ってからにしろと後回しになった。
 そこに、風呂から出たばかりのおっさんが向かってくる。
 ボイラーなどがちゃんと動くのかの検分も兼ね、一番に入ったのだ。

「特に問題はないな。掃除して汚れてんだからお前らも入れ」
「はーい。荷物整理あるから、白先入れ」
「分かりまし??」
「汚れてんだからお前も一緒に入れガキ」

 白を先に入れようとしたらおっさんに軽く小突かれる。

「汚れてんだから弄るんなら入った後にしろ。何なら俺が運んどいてやる」
「いえ、それは止めて下さい。壊れやすい物とか色々入ってますので。お願いします」

 実際は入ってないが、見られると困るものが奥に入ってるので断る。
 普通の巻物に扮してある上に最初は何も書かず、少ししてから書き始めたりしてるから大丈夫だと思うが、それでも出来ればあまり触れないでもらいたい。
 
「それならそれでいい。触れないでやるからさっさと入れ」
「……分かりました」

 しょうがない。
 息を吐く。余りに我儘を言って漁られては困る。
 白ならばまだしも、おっさんに見られるのは色々と問題だ。
 変えの下着などを用意しよう、と思うと同時、白がそれを渡して来る。
どうやら、今の会話を聞いて用意したらしい。

「はい、イツキさん」
「ありがと」

 受け取り、風呂の方に向かう。
 
「入ってる間に布団運んどくぞ。場所取って邪魔だ」
「お願いします」

 おっさんに返事をし、脱衣所の扉を開けた。



 脱衣所の籠に着替えを入れ、服に手を掛ける。
 そんな中、白が口を開く。

「一緒に入るの、初めてですね」
「そうだな」
(そういや、白と入るの初めてだな)

 何の気なしに思う。
 自分が精神的に子供でない為か、基本風呂には一人で入る。そのため白も一人で入る様になっていたのだ。
 今更ながらに思うが、白の年齢を思うと前の世界の基準から見れば問題なのだろうか?
 もっとも、原作でもナルトやサスケが一人暮らしをしていた所から見れば可笑しい物ではない可能性が高い。
 白の精神的な落ち着きも考えれば、この世界的には特に心配はいらないだろう。

 白の方に視線を向ける。
 相変わらずだが、肌は白い。
 初めて会った時はやや細く思えた体も、子供特有の丸みを持ち健康的に戻っている。
 
(過度な鍛錬は成長を妨げるって言うけど、どのくらいまでならいいんだろうな)

 筋肉をつけすぎるのも良くないというが、付けなさすぎるのも良くないと。
 
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