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弱者の足掻き
六話 「波の国」
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いたのだが。
痛んでいた髪も段々と元の艶を取り戻していき、今では肩を超える真っ直ぐなストレートに戻り、簡素な紐で纏めている。
血色の悪かった肌も色を取り戻し、ほんのり桜色の白い肌をほぼ取り戻している。
服も簡素ながら決して違和感なく着こなし、むしろそれによって中性的な美を醸し出すような印象さえ与える。
原作の白の雰囲気を感じさせ、俺は確かに白なのだと思わされる様になった。

(……にしても、白の無言の圧力には答えるんだなおっさん。この差は何だオイ)

原作では再不斬一点特化だったが、まだ日が浅いからか、それとも人物の違いからかそこまではいっていない。
保護者という事でか、おっさんにもある程度の理解を示すというか、ひどいほどの壁があるわけでもない。
普通にしてれば素直でいい子だ。だからとはいえ、態度が違い過ぎるぞこの保護者。

「気にするな白。別にいいから。で、この後はどうするんですか」

 歩き出しながら聞く。

「俺は適当に家を探す。で、そっちはどうする?」
「どうする……とは?」
「こっちに付いて来るか、それとも白と適当に街の中観光でもしてるか。好きな方選べ」

 言われ、悩む。
 こんな時は丸投げだ!

「白はどっちがいい?」
「僕は、イツキさんに付いて行きますので」

 白が微笑む。
 ……こんな時ぐらい、自主性出してもいいのよ?
 そんな事を思いながら、らちが明かないと良く考えてみる。
 このままついて行ったとして、何か得る物はあるのだろうか。せいぜいおっさんが交渉するところを見る程度だろう。
 どういう風に人を捜し、交渉するか。どこに店などがあるか分かると言った所だろう。
 いや、探すと言っても家を探す程度。そこまででもないだろう。適当にそこらで聞けば何とでもなるし、店なんて同様に幾らでもなる。普通に見まわるだけでもそれは把握できる。
 なら、適当に回るとするか。

「あー、白と町の方を見て回ります。というか、子供二人でいいんでしょうか」
「お前が子供とか、面白いこと言うなオイ。あいつらは結構ガキ臭いとこあったけどよ」

 ……

「お前らなら……特にお前なら問題ないだろ。………もいるなら……」
「はい?」
「何でもねぇ。それじゃ、遅いが飯食ったら二手に分かれるぞ」

 結構歩いたもので、近くには飯屋が。

「集合はここだ。時間は……大体四、五時間後。まあ、暗くなりきる前に集合だなぁ」
「分かりました」
「はい」

 天ざる食いたい。






 ただのざるでした。船の上で服汚した罰だそうです。
 白が天ぷらくれました。凄くいい子です。
 
「思ったよりこじんまりした感じだけど人いるな」
「結構賑やかですね」
「金が無いって
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