第五章 StrikerS編
第百四十三話 『公開意見陳述会(1) 前夜のそれぞれの想い』
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まいそうになって…でも、シホさんの助けで怪我なく事件を解決することができたそうですね」
「ああ。あの時ほど自分の心の弱さを痛感したことはないね。
妹が人質に捕らわれたと知って俺は恥ずかしながらも焦りにかられちまった…。
そしてその結果がミスショットだ。
だらしないったらないな」
「そ、そんな事は…!」
それでティアナは一回顔を上げたがすぐに俯く。
おそらくあのミスショットの事を思い出して俺の経験と重ねているんだろうな。
だからティアナの頭をポンポンと軽く叩いてやり、
「過去の事を悔やむな。忘れられないっていう気持ちは分かるが、それを糧に成長もしたんだろう?」
「はい…シホさんに、それを教えられました」
「ハハッ…やっぱりシホさんか。すげーよな。俺達は同じ人物に同じような経験をして救われたんだぜ?」
「ふふ…似ているんですかね」
「違いねーかもな。っと、話がそれたな」
「いえ」
それで俺は話を軌道に戻す。
「まぁ、そんな経緯があって、俺は自分の未熟さを痛感させられて一回銃を下ろした。
そして試してみたかったヘリ操縦士の道に進んだ。
だが、今思えば一種の逃げだったのかもしれねーが…それでもよかったって思ってるし後悔もしてねぇ。
そんな経緯があってヘリパイロットになって運良く憧れのシホさん達と同じ部隊に配属できたんだからな」
「前向きなんですね…」
「そう考えといたほうがお得だろ?」
「まぁ、そうですね」
ティアナはそれで笑みを浮かべていた。
「何事も前向き思考の方がやっていけるんだよ。
だからお前も頑張れよ。執務官志望のお嬢さんよ?」
「ッ! 知っていたんですか!?」
「ははは! まぁな。後、お前には最初に教えとくが俺は機動六課が解散した後、また魔導師に戻ろうと考えている」
「えっ…?」
そこで驚きの表情をするティアナ。
「そこまで驚くこたぁねーだろ?
お前の狙撃の訓練もたまに付き合ってやっているし、シホさんにも鍛えてもらっている。
腕が上がってきた…。
自信もついてきた…。
そして証明するんだよ。今度こそ俺は妹の誇りの兄でありたいと、な」
するとティアナは目を見開く。
ん? なにか変なことを言ったか?
「やっぱり、ヴァイス陸曹はあたしと似ていると思います…」
「そうか…?」
なにか考え込んでいるのか何度か頷いていて、しばらくして、
「ありがとうございます! お話とご教授感謝します!」
「お、おう…。まぁこれくらいならお安い御用だ。警備頑張れよ」
「はい! それでは失礼します!」
それでティアナはわざわざ俺の紙コップも回収してその場から離れていった。
「まったく…落ち着きがないねぇ。ま、それも若さか。そう思うだろう? ス
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