蘇生はゲームの中だけにして下さい。チート?ゲームでもやらないように。
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そらくマスコミの追求があるだろう、とそれらの不可解な現象に蓋をせざるを得なかった。
が、俺が家に戻ったときには、すでに父と母と妹と、そして俺による家族構成は完全に表面上だけのものとなり・・・、
俺は不気味に思われ、避けられ、陰口を言われ、そして、家族の一員から外された。
それも当然のことだったと俺は半ばどこか自虐的に思う。
陰口を家のどこで言おうと、俺の異常な聴覚がそれを聞きつけ、俺がフォークを料理に突き刺せば、食卓を貫通し、俺が窓を閉めようと、窓枠に手を掛ければ窓ガラスは一瞬でただのガラス片と化す。
今はある程度この力をある程度意図的にコントロールできるが、そのときはただただ自分という存在を恐れ、そして、いつしか石像のように、何も発さず、何も言わず、何も動じず、何もせず、ただただ、自分の部屋の中で、自分の運命を呪いながら、嘆いていた。
当然、学校でも避けられ、浮いた存在となり、数日で登校拒否の引き篭もりとなった。
そのときに、三人の男子生徒が俺のことを散々ゾンビだのなんだの言ってからかってきた。俺はずっと、我慢を続けたが、普段家で受けている扱いでストレスは既に臨界点まで達していた。
そして、一人の男子生徒の「お前なんか死んでればよかった」という一言を聞いた瞬間、
気がついたら、男子生徒三人は全員別々の方向に数メートル吹き飛んでおり、自分の手から赤い液体が滴り落ちており、周りのクラスメイト達は口々に絶叫していた。
その三人が送られた病院が例の病院だったため、その事件が外部に漏れることはなかったが、俺は当然学校には行けなくなったし、両親はその三人の男子生徒の母親らの苦情を受けて、更に俺に対する溝を深めていった。
そして、一年半ほどが経った。年齢的には高校生となったが、当然、学校は退学したし、新しい学校に行く気にもなれなかった。この一年半、ひたすら力のコントロールを覚え、一人で生活するための知識を学び、そして家族と出来る限り触れ合わずに暮らすようにした。いつしか俺は自分の飯も、洗濯物も自分で全て何とかしていた。
俺はこの日のために準備しておいた一抱えの荷物と、既に借りたマンションの住所と行き方が書かれた紙を持って、静かに家を出た。
見送りはないと思っていたが、妹が何故か玄関に出てきた。そして何か言いたそうに視線を巡らしていたが、俺はドアを手早く開けて、また手早く閉めた。今更、何を家族に言われても惨めになるだけだ。
そして、俺は家族の家とは遠く離れた都心部の郊外にある一角のマンションに住んだ。時々自分の口座に振り込まれている家族の仕送り金と、自分で行く、買い物以外は、なんの変化もない毎日。起きて食べて寝て、また起きて食べて寝る。その繰り返し。自分は歯車だった。ただし、もう動かない、ただそこにはまっているだけの、何の変化もな
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