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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-3
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ノートに忘れていた部分だけを書き写して15分。授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。終わりを告げると二人の先生は教室から出ていく。
すぐに次の授業の準備を確認し、終えた蓮は左手で頬杖をついて窓の外をずっと見ていた。
そのわずかな休憩時間に一夏は机の間を縫って前から蓮の席まで来た。


「初めまして。俺は織斑一夏っていうんだって……もう知ってるよな? よろしく」


そう言った一夏は、蓮に向けて右手を出してきた。握手を求めるものであろう。仲よくしていこうという魂胆か。蓮は、一夏の方を全く見ることなく言う。


「悪いが、馴れ馴れしくしないでくれ」


そう言われた一夏は、差し出した右手を蓮の肩に手を置こうとそのまま伸ばす。


――パアンッ


しかしその右手は、蓮が振るった右手によって叩かれた。
そして、今まで窓の向こうから目を話すことがなかった蓮が初めて一夏の方を向いた。
蓮から見た一夏の表情は、何をされたのか全く理解できないといった困惑した表情。それに対して一夏から見た蓮の表情は、無表情でその瞳には、一夏に対する明確な敵意を感じられた。


また、蓮は立ち上がって自分の身長より少し低い一夏を見下ろして、どこから取り出したのか銃を向けた。周りからは悲鳴が上がるが、当然蓮がそんなことを気にするわけもない。
安全装置(セーフティ)が外されている今、簡単に人を殺せる道具となっている。


と、そこに金髪を縦にロールさせている女子生徒が間に入ってきた。
一夏には何か嫌なことがあるのか苦い顔をしていた。自分が死の間際にいることを自覚している様子も見せることなく。
こちらの女子生徒は誰だったか。蓮は、自己紹介を聞いているわけではないので、知らない。


「悪いですが、そんな物騒なものまで出されては黙って見ているわけにはいきませんわ」
「誰だぁ? ……お前」
「イギリス代表候補生、セシリア・オルコット」


ただの代表候補風情が――――と蓮は口には出さなかったが、内心毒づく。
ISしかもたない。銃のような携行型の武器を持たない相手が、銃を持っている相手に立ち向かうことがどういうことなのか分かっているのだろうか。


だが、その前に授業の開始を告げるチャイムが鳴った。
それを聞いた蓮は、すぐに安全装置(セーフティ)をかけ、銃を仕舞った。
それを見たセシリアは、自分の席に戻って行く。一夏はその場を動こうとしなかった。担任に怒られても知らないが、まあ蓮にはどうでもいいことだ。


「これから授業を――――織斑、もう授業は始まっているぞ。席に着け」
「あっ、はい」


すごすごと一夏が自分の席に戻って行ったのを確認した千冬は、授業を始める前に今日のうちに決めなければならな
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