プレイバック Part.1 その1
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想でしょ……今すぐ放してあげなさい!」
「な、何だよビアンカ……コイツ面白い声で泣くんだよ。ビアンカも一緒に遊ぼうぜ!」
確かに随分と変な声でなく猫ではあるけれど、それを理由に苛めて良い訳ではない。
何とかしてコイツ等から猫を取り上げないと!
「いじめちゃ可哀想だよ……その猫さんを放してあげてよ」
どうするかを悩んでいたら、アルスも猫を放す様訴えてきた。
解ってるじゃない……弱い者イジメなんてダメだって事を!
「何だよチビ! うるせーんだよ……俺達が何をしようが勝手だろ!」
「勝手じゃないわよ、弱い者イジメをするなんて最低よ! 今すぐ猫ちゃんを放してあげなさい!」
こんな小さな子にも解る事を、大きなお兄ちゃんがするべきではないわ!
「じゃ、じゃぁレヌール城のオバケを退治して来いよ……そうしたらこの猫をあげるよ」
しかし2人も後には引けないらしく、身勝手な交換条件を突きつけてきた。
ムリよ……レヌール城のオバケは、この辺では有名で凄く恐い存在なのよ。
それを子供だけで退治するなんて……
「分かったよ……レヌール城のオバケを退治してくれば良いんだね。でもその間、猫さんはどうするの? また苛めるんだったらダメだよ。絶対にオバケは退治してくるから、先に猫さんを放してあげてよ!」
私がオバケの存在に怯んでいると、アルスが勝手に話を進めて行く。
どうしてこの子はオバケ退治を了承出来るの?
私より弱いのに……町の外でモンスターを見かけただけで、凄く怯える程臆病なのに、どうして簡単にオバケ退治を引き受けちゃってるの!?
(ポカリ!)
「うるせー、お前等のオバケ退治が先だ! 出来もしない条件に、何で俺達が従わなきゃならないんだ!? いいから黙ってあっち行け馬鹿チビ!」
「うわぁ〜ん!!!!」
事態について行けず困惑していると、猫の解放をしつこく迫ったアルスが、イジメっ子の一人に頭を殴られ大泣きする。
こんなにも弱い子なのに、猫さんを助ける為自らを犠牲に出来る意思を持ってるんだ……
だがらサンタローズでも無茶をして……実際大怪我までして洞窟に入り、道具屋のオジサンを助けに行ってくれたんだ。
私は少し誤解してたのかもしれない……この子は弱いけれど、臆病ではない。何かの目的があれば、凄い勇気が沸き起こってくる。
「アルス、もう泣かないで。私と一緒にレヌール城のオバケを退治しに行きましょう」
大泣きするアルスの頭を撫で、私も決意する。
あの猫を助け出す為に、今夜レヌール城へ行きオバケを退治してみせる!
「良いあなた達! 絶対に猫ちゃんを苛めてはダメよ! 私達は直ぐにでもオバケを退治してくるのだから、その間は優しく世話しなさいよ!」
「うるせー早く行けよブスビアンカ!」
私は念を押し猫の
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