プレイバック Part.1 その1
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具屋のオジサンを探してくれたみたいで、オジサンに抱かれながら帰ってきた。
助けに行った相手に助けられるってどうなの?
自分の実力を把握出来てないのって危険じゃ無いの?
何でパパスおじ様に頼まなかったのよ……私達はそれをお願いしたのに!
とは言え、少なくとも原因の一部を担ってる私達は、慌ててアルスの下へ駆け付ける。
すると彼は血だらけでパパスおじ様に抱っこされていた。
その際懸命に「ビアンカが困ってたから……」とか「どうしてもビアンカの力になりたかったから……」とか訴えてます。
冗談では無い。
“余計なことを!”とは言わないが、最初からパパスおじ様への取り成しを頼んだのだから、勝手に洞窟入って大怪我こさえて、それを私の所為みたいに言うのは止めて欲しい。
道具屋のオジサンも帰ってきたし、これで明日には薬を手に入れられるから、助かったと言えば助かったことなんだけど……
同じくらいの迷惑を被ったことも事実だろう。
パパスおじ様がアルスの怪我をホイミで治し、安心感からか気絶してしまったので、そのまま彼は自宅へと連れ帰られた。
私達も宿屋へ戻ります。
その際にお母さんが言ってたわ……
「助かったのだけど……あの子には下手なことが言えないねぇ……」
はぁ〜……溜息が出ちゃう。
夜が明け、朝一番で道具屋のオジサンが薬を届けてくれた。
お母さんは勿論お金を払おうとしたのだけど……
「いやぁ〜……今回は随分と遅れちまったから、お代は結構です。その代わりなんですが、アルスボウヤに優しくしてやってくれ。あの子が居なかったらワシはあの場で死んでいたかもしれないのでな……ビアンカ嬢ちゃんの為と言って、アンタ等を困らせてたけど、どうか許してやってほしい」
お母さんは「勿論! あの子には感謝しきれないさ!」と居てったけど、私としては了承しかねる。
昨晩は村の人達に“あんな小さな子供に危険なことをさせて……”的なムードで見られ続けたのだ。
頼んでも無いのに勝手に大怪我されて、その責任を押しつけられるのは困る。
お母さんが感謝してると宣言しちゃってるから、私も口に出しては言わないが……
あの子は見た目だけは凄く可愛いから、大人達の受けが良いんだ。
本人もその事を意識してるらしく、常に手鏡で自分の容姿を確認している。
所謂ナルシストってやつだ! 私は……嫌だなぁ……
さて薬も手に入り、やっとアルカパに帰ることが出来る。
不本意ながら騒動を起こさせてしまったので、アルスの居るパパスおじ様の家にご挨拶に行きます。
朝早いから、あの子が寝ててくれると助かるんだけどなぁ……
だけど世の中巧く行かないの。
尋ねた時は寝てたんだけど、大人が会話をしてる最中に起きて来ちゃった……
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