暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
炎と風
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いつ、覚えてねぇの?」と言いたげな顔をしている。

「でもナツは勝ったよ」
「そうそう」

そう言われナツはしばらく黙った。

「ま・・・いっか。つーか最後なんで攻撃当たったんだろ」
「ナツが凄いからです」
「そっか!?かかかかかかかっ!」
「・・・まぁ、そういう事にしとくか」

すると、ズガガガガ・・・と音が近づいてきた。

「ナツー!アルカー!」

エルザが運転する魔導四輪だ。

「お!遅かったじゃねぇか、もう終わったぞ」
「あい」
「エリゴールはしばらく起きあがれねぇな」

アルカの言う通り、エリゴールは完全に気を失っている。

「さすがだな」
「ケッ」
「そ、そんな!エリゴールさんが負けたのか!?」

称賛するエルザにつまらなさそうに呟くグレイ、目を見開いて驚くカゲヤマ・・・反応は様々だ。

「エルザ、大丈夫?」
「あ、あぁ・・・気にするな」
「もうフラフラだよ。ほら、掴まって」
「すまないな・・・」

ルーが肩を貸しエルザがそれを支えにする。

「こんなの相手に苦戦しやがって。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の格が下がるぜ」
「苦戦?どこが!?圧勝だよ。な?ハッピー、アルカ」
「微妙なトコです」
「苦戦とは言えねぇし、圧勝とも言えねぇし」

呆れたように笑うアルカ。

「お前・・・裸にマフラーって変態みてーだぞ」
「お前に言われたらおしまいだ」

そう言って睨み合うナツとグレイ。
するとナツの上にバサッと服が落ちてきた。

「着ておきなさい」
「ティア」
「そんな傷だらけで何も着ないでいたら、傷口が開いて悪化するわ。それにいくらアンタとはいえ風邪を引く可能性もあるでしょ」

いつも通り冷たい口調だが、言っている内容は優しげだ。

「何はともあれ見事だ。ナツ、アルカ。これでマスター達は守られた」
「俺ァ何もしてねぇけどな」

エルザの言葉に全員が笑みをこぼす。
ティアは相変わらずの無表情だが・・・。

「ついでだ・・・定例会の会場へ行き、事件の報告と笛の処分についてマスター達に指示を仰ごう」
「クローバーはすぐそこだもんね」

ハッピーが言い終えた瞬間、魔導四輪が動き出した。

「カゲ!」
「危ねーなぁ、動かすならそう言えよ!」
「油断したな、妖精(ハエ)共」

そう言ってカゲヤマは影を伸ばし、落ちていた笛をしっかりと掴んだ。

「笛は・・・呪歌(ララバイ)はここだー!ざまあみろー!」

カゲヤマはそう言い残し、去っていった。
それを見たメンバーは目を見開く。
ティアはやっぱり無表情だが・・・。

「あんのヤロォォォ!」
「何なのよ!助けてあげたのにー!」
「恩知らず!恩を仇で返すのかー!」
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