炎と風
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いつ、覚えてねぇの?」と言いたげな顔をしている。
「でもナツは勝ったよ」
「そうそう」
そう言われナツはしばらく黙った。
「ま・・・いっか。つーか最後なんで攻撃当たったんだろ」
「ナツが凄いからです」
「そっか!?かかかかかかかっ!」
「・・・まぁ、そういう事にしとくか」
すると、ズガガガガ・・・と音が近づいてきた。
「ナツー!アルカー!」
エルザが運転する魔導四輪だ。
「お!遅かったじゃねぇか、もう終わったぞ」
「あい」
「エリゴールはしばらく起きあがれねぇな」
アルカの言う通り、エリゴールは完全に気を失っている。
「さすがだな」
「ケッ」
「そ、そんな!エリゴールさんが負けたのか!?」
称賛するエルザにつまらなさそうに呟くグレイ、目を見開いて驚くカゲヤマ・・・反応は様々だ。
「エルザ、大丈夫?」
「あ、あぁ・・・気にするな」
「もうフラフラだよ。ほら、掴まって」
「すまないな・・・」
ルーが肩を貸しエルザがそれを支えにする。
「こんなの相手に苦戦しやがって。妖精の尻尾の格が下がるぜ」
「苦戦?どこが!?圧勝だよ。な?ハッピー、アルカ」
「微妙なトコです」
「苦戦とは言えねぇし、圧勝とも言えねぇし」
呆れたように笑うアルカ。
「お前・・・裸にマフラーって変態みてーだぞ」
「お前に言われたらおしまいだ」
そう言って睨み合うナツとグレイ。
するとナツの上にバサッと服が落ちてきた。
「着ておきなさい」
「ティア」
「そんな傷だらけで何も着ないでいたら、傷口が開いて悪化するわ。それにいくらアンタとはいえ風邪を引く可能性もあるでしょ」
いつも通り冷たい口調だが、言っている内容は優しげだ。
「何はともあれ見事だ。ナツ、アルカ。これでマスター達は守られた」
「俺ァ何もしてねぇけどな」
エルザの言葉に全員が笑みをこぼす。
ティアは相変わらずの無表情だが・・・。
「ついでだ・・・定例会の会場へ行き、事件の報告と笛の処分についてマスター達に指示を仰ごう」
「クローバーはすぐそこだもんね」
ハッピーが言い終えた瞬間、魔導四輪が動き出した。
「カゲ!」
「危ねーなぁ、動かすならそう言えよ!」
「油断したな、妖精共」
そう言ってカゲヤマは影を伸ばし、落ちていた笛をしっかりと掴んだ。
「笛は・・・呪歌はここだー!ざまあみろー!」
カゲヤマはそう言い残し、去っていった。
それを見たメンバーは目を見開く。
ティアはやっぱり無表情だが・・・。
「あんのヤロォォォ!」
「何なのよ!助けてあげたのにー!」
「恩知らず!恩を仇で返すのかー!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ