暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
炎と風
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が近づけねぇ!」
「くそっ・・・!」

ハッピーが目を完全に開き、ナツとアルカを見つめる。

「くらえ!全てを切り刻む風翔魔法『翠緑迅(エメラ・バラム)!」

エリゴールの両手に強い風が纏われる。

翠緑迅(エメラ・バラム)だって!?そんなのくらったらバラバラになっちゃうよ!」
「うがっ」
「ぐおっ」

2人の身体はぶあっと浮かぶ。

「死ね!燃えカス小僧共!」

両手の人差し指と中指を合わせその指をクロスさせ、叫ぶ。
強い風が鉄橋を破壊した。
鉄橋はボロボロ、ナツとアルカは倒れている。

「ナツー!アルカー!」

ハッピーは慌てて叫ぶ。
今すぐにでもナツとアルカのいる所まで行きたいのだが、魔力は空、しかも鉄橋が壊れていてその先へは行けない。

「起きてー!ナツー!アルカー!」
「その肉体が残っただけでもたいしたモノだ。若ェ魔導士にしてはなかなかだったぞ」

そう言ってクローバーの街の方を向くエリゴール。

「安心しろ。じじい共もすぐにそっちへ送ってやる。呪歌(ララバイ)の音色でな」

そう言って立ち去ろうとするエリゴールを、2つの声が引き留めた。

「何が・・・呪歌(ララバイ)だ・・・」
「んな魔法がねぇとマスター達と戦えねぇ・・・腰抜けの死神が・・・」

ビリビリ・・・と布が裂けるような音と共に聞こえる声。
エリゴールは声のする方を向き、目を見開いた。

「じっちゃんの首が欲しいなら正々堂々戦え!」
「正々堂々戦えねぇなら引っ込んでろ!」

既にボロボロとなっているベストを破り立ち上がるナツと、ボロボロになったジャケットを脱ぎ捨て立ち上がるアルカが、そこにいた。
傷だらけで血が流れている箇所もあるが、この2人はまだ諦めていない。

「バカな!まだ生きてるのか!?」

驚くエリゴール。
眼に涙を滲ませながら喜ぶハッピー。

「「戦う勇気がねぇなら手ぇ出すんじゃねぇ!」」

2人の声が重なる。

「何てしぶてぇガキだ!」

ぶあっと風が起こり、2人は吹き飛ばされる。

「ちくしょオォオォっ!」
「ふん」
「!」
「あれは・・・」

ナツの全身から炎が燃え上がる。
ユラ・・・と小さくエリゴールが纏った風が揺れ、アルカとハッピーがそれに気づいた。

「なんで近づけねェんだ!納得いかねー!」

メキメキ・・・とナツが掴んだレールが持ち上がっていく。

「それにしても不気味な魔法だな・・・感情がそのまま炎へと具現化されてるようだ」
「ハッピーも気づいたか?」
「うん・・・エリゴールの風が変な方向に流れてる」
「んがーーーーーーーっ!」

メキ、ボゴッ、ボゴゴッと音を立て、レールがブチっと切れた。

「感情
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