炎と風
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が近づけねぇ!」
「くそっ・・・!」
ハッピーが目を完全に開き、ナツとアルカを見つめる。
「くらえ!全てを切り刻む風翔魔法『翠緑迅!」
エリゴールの両手に強い風が纏われる。
「翠緑迅だって!?そんなのくらったらバラバラになっちゃうよ!」
「うがっ」
「ぐおっ」
2人の身体はぶあっと浮かぶ。
「死ね!燃えカス小僧共!」
両手の人差し指と中指を合わせその指をクロスさせ、叫ぶ。
強い風が鉄橋を破壊した。
鉄橋はボロボロ、ナツとアルカは倒れている。
「ナツー!アルカー!」
ハッピーは慌てて叫ぶ。
今すぐにでもナツとアルカのいる所まで行きたいのだが、魔力は空、しかも鉄橋が壊れていてその先へは行けない。
「起きてー!ナツー!アルカー!」
「その肉体が残っただけでもたいしたモノだ。若ェ魔導士にしてはなかなかだったぞ」
そう言ってクローバーの街の方を向くエリゴール。
「安心しろ。じじい共もすぐにそっちへ送ってやる。呪歌の音色でな」
そう言って立ち去ろうとするエリゴールを、2つの声が引き留めた。
「何が・・・呪歌だ・・・」
「んな魔法がねぇとマスター達と戦えねぇ・・・腰抜けの死神が・・・」
ビリビリ・・・と布が裂けるような音と共に聞こえる声。
エリゴールは声のする方を向き、目を見開いた。
「じっちゃんの首が欲しいなら正々堂々戦え!」
「正々堂々戦えねぇなら引っ込んでろ!」
既にボロボロとなっているベストを破り立ち上がるナツと、ボロボロになったジャケットを脱ぎ捨て立ち上がるアルカが、そこにいた。
傷だらけで血が流れている箇所もあるが、この2人はまだ諦めていない。
「バカな!まだ生きてるのか!?」
驚くエリゴール。
眼に涙を滲ませながら喜ぶハッピー。
「「戦う勇気がねぇなら手ぇ出すんじゃねぇ!」」
2人の声が重なる。
「何てしぶてぇガキだ!」
ぶあっと風が起こり、2人は吹き飛ばされる。
「ちくしょオォオォっ!」
「ふん」
「!」
「あれは・・・」
ナツの全身から炎が燃え上がる。
ユラ・・・と小さくエリゴールが纏った風が揺れ、アルカとハッピーがそれに気づいた。
「なんで近づけねェんだ!納得いかねー!」
メキメキ・・・とナツが掴んだレールが持ち上がっていく。
「それにしても不気味な魔法だな・・・感情がそのまま炎へと具現化されてるようだ」
「ハッピーも気づいたか?」
「うん・・・エリゴールの風が変な方向に流れてる」
「んがーーーーーーーっ!」
メキ、ボゴッ、ボゴゴッと音を立て、レールがブチっと切れた。
「感情
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ