炎と風
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・・少々侮っていたようだ・・・ここからは本気で行こうか。お互いにな」
「燃えてきたぞ!」
「やーっと面白くなってきたな」
そう言うと、エリゴールは顔の前で手をクロスさせた。
「暴風衣」
ひょおおおおお・・・と風がエリゴールの身体を包み、風の鎧を纏ったような状態になる。
「おお」
「何だあれ」
「いくぞ」
「あの火の玉小僧共、死んだな・・・」
走る魔導四輪の中、カゲヤマが突如呟く。
「なーんでそういう事言うかなァ」
「ふふ・・・火の魔法じゃエリゴールさんの暴風衣は破れない。絶対に」
暴風衣を纏ったエリゴールが上からナツ達のもとへ降りてくる。
それをひらりと避け、ナツは右の拳に炎を纏った。
「火竜の・・・」
そしてその拳をエリゴールに叩き込む。
「鉄拳!」
これが通常のエリゴールなら、いとも簡単に吹き飛ばせたであろう。
だが今現在、エリゴールは暴風衣を纏っている。
ナツの拳は簡単に止められ、ぶはっと炎が消えた。
「あれ?」
先ほどまでは通常的だったはずの炎が突然消えた事に驚くナツ。
「くっそぉ!」
今度は左の拳に炎を纏い殴りかかるが、しゅうう・・・と炎は消えていく。
「やはり炎を纏ってなければあの破壊力は出せんか・・・まるで効かんな・・・」
「どうなってんだ!?炎が消えちまう!」
「暴風衣は常に外に向かって風が吹いている。解るか?炎は向かい風には逆らえねぇ。炎は風には勝てねぇんだ!」
そう叫び、一気に風を放出させる。
「スゲェ風だ・・・」
「台風みてーだな」
「これではさすがに炎は届くまい・・・死ねぇ!」
しゅばばばばっと風の刃がナツとアルカに向かって放たれる。
これがルーならくいっと手を動かして消滅させられるだろうが、ここにいるのは2人の炎使い。
風を弱点とする炎を操る魔導士だ。
「ちっ」
「危なっ」
「はーっ!」
飛んでくる風を何とか避け続け、アルカは地に手を付く。
そこから一気に熱風を発射し、ナツの足に纏わせた。
「行け!」
「おらあああっ!」
その熱風をバネにして、ナツは右の拳に炎を纏ってエリゴールに向かっていく。
だがエリゴールは余裕の笑みを浮かべている。
ナツの右の拳の炎が消えた。
その衝撃で気を失っているハッピーが飛ばされ、こてんとレールの上に落ち、目を開く。
「うおっ!」
「ナツ!がはっ!」
その風はナツの後ろにいたアルカまでも巻き込んで2人を吹き飛ばす。
「炎どころか・・・俺
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