炎と風
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た。
エリゴールはバッババッと印を切り、揃えた人差し指と中指を2人に向ける。
そこから強い風が一気に吹き荒れた。
「い・・・て・・・」
「ぐおっ・・・」
「消えろ」
風が突然やみ、ナツの身体が鉄橋の下に落ちかける。
「やばっ、ハッピー!」
叫ぶが、ハッピーは反応しない。
「そっか!全魔力使っちまったんだ!」
「雑魚が」
「おっ、落ちるー!」
ひゅうううう・・・と落下していく。
そんなナツの身体を、アルカが掴んだ。
「アルカ!」
「一気に上昇する、落ちるなよ!」
ぶわっと火傷しそうな熱気を足に纏い、勢いをつけて飛び上がる。
そして綺麗に鉄橋の上に着地した。
「何!?熱気だけで飛んだ!?」
「ほらよ」
「サンキューな、アルカ!」
ナツは足に、アルカは手に炎を纏う。
「お前、裸じゃ寒ぃだろ」
「あっためてやろっか?」
そう言うが早いが。
「ダーッシュ!」
「からの挟み投げ!」
ナツが勢い良くエリゴールの腹に直撃し、アルカがエリゴールの顔を両方の手で挟んで投げ飛ばす。
そしてナツは1度鉄橋の上を軽く跳ね、右足に炎を纏った。
「火竜の鉤爪!」
「大火竜巻!」
前でクロスにした手を勢いよく広げ、アルカが熱風の竜巻を出現させる。
それとほぼ同時にナツが左の拳に炎を纏って殴りかかったが、勢いよく空に飛んだエリゴールにその拳は当たらなかった。
「調子に乗りおって!」
くいっとエリゴールが手を動かすと、ぶあっと風が吹き荒れる。
先ほどと同じように印を切った。
「暴風波!」
エリゴールの左手から放たれた竜巻は容赦なく2人を巻き込んで激しく回転する。
その竜巻からようやく解放された2人の身体は宙を舞った。
「終わりだ」
エリゴールが呟き、その手に持っている鎌をアルカの首を狙って振る。
ザッ・・・と音が響き、狙われたアルカの首は・・・。
無事、胴体と接続されていた。
レールの上で座り込むアルカの前に立つナツが左手で鎌を受け止めていたのだ。
「腕で止めたァ!?」
「悪いな、ナツ」
「気にすんな!さっきの礼だ!」
そう言うと、ナツはぷっくぅと頬を膨らませる。
「火竜の・・・」
「まさか、口から魔法を!?」
「咆哮だァ!」
ナツの口から灼熱のブレスが放たれる。
しゅばっとエリゴールは跳んで避けた。
「くそっ!フラフラ飛びやがって!ズリィぞ!降りて来い!」
「降りてこねーなら落としてやるまでだがな」
エリゴールは何を考えているのかしばし沈黙し、口を開く。
「貴様等の力・
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