暁 〜小説投稿サイト〜
【ネタ】 戦記風伝説のプリンセスバトル (伝説のオウガバトル)
09 はるかなる日々 その三
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 この聖堂の聖なる父は何も語らない。
 だから私が私の言葉で語る。

「得ちゃったんでしょうね。
 何とかなるだけの圧倒的な力を」

「……そ、それは……」

 聖なる父からアクエリアスの方を振り向いてきっと睨みつける。
 私の渾身の言霊がアクエリアスだけでなく、トリスタン皇子やデスティンにも届く事を信じて。

「そうよ。
 オウガや暗黒神の力よ。
 このゼテギネアの地は、これらの力によってローディス教国の脅威から守られているわ」

「それは詭弁です!
 あなたは、帝国の脅威に、政策に賛同するつもりですか!」

 激昂するアクエリアスに対して、淡々と語る私。
 けど、アクエリアスの付き人その一が剣に手をかけようとして自制したのを私は見逃さなかった。
 トリスタン皇子はあっちか。

「賛同するんだったら、反乱軍なんかに席を置いてないわよ。
 帝国の脅威を取り除くのならば、帝国が感じていた脅威に備えて欲しいと言っているだけ。
 わたしはそれに備える為にこういう事をやっている訳。
 納得はできないでしょうが、理解はしてもらえたかしら?」

 私は知っている。
 『タクティクスオウガ』や『オウガバトル64』で繰り広げられた新生ゼノビア王国とローディス教国の代理戦争を。
 そして、語られなかった物語の果てに、新生ゼノビア王国が負ける事を。

「世界を救う。
 それはすばらしい事です。
 ですが、私達は人です。
 この手で抱えられるものすら助けられません」

 一歩二歩と大股で歩き、アクエリアスとすれ違う。
 小さく驚いた声をあげたアクエリアスなど気にせず、私はまっすぐにトリスタン皇子の前に進み臣下の礼を取る。
 デスティンもウォーレンも私の行動を阻害しようとしない。
 信じているのか、それとも……

「フィクス・トリシュトラム・ゼノビア殿下。
 貴方が進むべき道です。
 貴方しか進めない道です」

 私が臣下の礼を取った事で、デスティンも動く。
 私の隣で臣下の礼を取り、あるものを差し出したのだ。

「それは『えいこうのカギ』。
 バーニャは生きているのか?」

「はい。殿下。
 現在は貿易都市カルロバツにて手のものに保護させています」

 この筋書きで決定打になる切り札、『えいこうのカギ』を持っているバーニャが貿易都市カルロバツにいる事は知っていた。
 ステージクリア後にしか出てこないのが不安だったが、トードのコネと金、コリ達ニンジャの働きで彼女の居場所を見つけ、確保したのである。
 最初からトリスタン皇子にゼノビアを復興してもらうつもりだった事を説明すると、バーニャは快くゼノビア家を継ぐ者の証、王位継承者の証である『えいこうのカギ』を渡してくれた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ