第四十八話〜焦りと燻り〜
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事の中に、外部からの敵の援軍がある。今回の管理局への襲撃で、六課に味方からの援軍が送られることはないとライは確信していた。
ライの言葉が聞こえていた戦闘機人の3人は驚いた表情を見せる。その敵の表情でライの予測は確信に変わった。
「ここは足止めする。だから早く」
「「……」」
ライに何かを言おうとするなのはとティアナであったが、ライの真剣な表情を見て思うところがあったのかお互いの顔を見て頷き合い、それぞれスバルとギンガを抱え、元来た通路に戻っていった。
「逃がすか!」
「それはこちらもだ」
3人の戦闘機人の内、赤いショートヘアーでスバルと同じくローラーブーツを履いている1人が、なのはたちを追うために駆け出す。だが、それを遮るようにライは彼女の足元に右手のハーケンを射出し、その動きを止めさせた。
すると、追うのを諦めたのか3人の戦闘機人はライに視線を集中させる。
そこで改めて、ライは戦闘機人の3人の姿を観察する。
3人の内の1人はライと同じ銀髪で小柄な体躯にマントを羽おり、その右目には眼帯を着けていた。残りのふたりはどちらも赤髪で体型も似ている。だが、髪型が片方はショート、片方はセミロングをアップにして纏めている。
装備もそれぞれ違い、ショートヘアーの方はスバルやギンガと同じローラーブーツにナックル。アップにしている方は大きな盾のうような物を装備している。
取り敢えず敵の見た目だけで分析できることをしていると、3人の内の銀髪の少女が一歩前に出てきて口を開いた。
「お初にお目にかかります。ライ・ランペルージですね」
「……」
ライは彼女からの問いかけに無言でいたが、彼女は話を続けた。
「私はチンク、後ろの2人はノーヴェとウェンディ。私の妹になります」
「「……」」
チンクと名乗った彼女がそう言うと背後の2人、ノーヴェとウェンディが構えを解く。それに応じる様にライも構えを解くが、警戒は怠らなかった。
「こちらは今回の襲撃でいくつかの目的があります。その内の1つは貴方の確保となっています」
「……それが?」
「こちらとしても、一応ではありますが兄となっている貴方に危害を加えたくないと言うのが本音です。どうか私たちと来てもらえませんか?」
彼女の言った言葉を反芻しながらライは探りを入れ始めた。
「……先ほど言った、“兄”と言うのは?」
「既に察しているとおり、私たちはドクターによって生み出されました。そしてそのドクターは貴方の改造された身体のデータを持っています。なので、私たちのこの体には貴方のデータも多少なりとも組み込まれています」
「……だから“兄”、か」
自分の予想と寸分違わぬ回答にライは内心で舌打ちする。
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