第四十八話〜焦りと燻り〜
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ミッドチルダ・市街地
自身の特徴とも言える銀髪を靡かせながら、ライは駆けていた。
六課でテレビ中継を見ていたライは、突然途切れた放送と六課の中で流された警報と報告を聞いてすぐに街に出てきていた。
報告の内容は、地上本部がガジェット及びナイトメアフレーム、更に戦闘機人の襲撃を受けたというものであった。少なくともナイトメアフレームの出現により、ライが出動する大義名分は通すことができるため、ライは真っ先に行動に出た。
一先ずライが向かったのは、襲撃のあった地上本部である。なにはともあれ、フォワードメンバーとの合流を考えていたライは迷わず地上本部を目指していた。
しかし、警備網の構築による道路の封鎖、そして襲撃に関する情報に右往左往する局員、それらの局員の行動などで混乱している一般市民。そして度々現れるガジェットやナイトメアとの戦闘によりライは目的地に中々たどり着けずにいた。
「くっ!」
歯噛みしながら、ライは一番近くにいたガジェットをショートソード形態のパラディンで切り捨てた。今現在、蒼月はセンサー類と傍受できる通信の情報処理を優先させるために、いつものネックレスの状態で首にかかっていた。
戦闘や迂回ルートの選択などでかなりのタイムロスをしていることに、焦りと苛立ちを覚え始めた頃、ライの中でエナジーウイングの使用をしたいという気持ちが湧き出る。
「いや……まだ早い!」
今現在、ライが所有しているカートリッジは初期装填と予備マガジン3本しかない。その為、空中で移動した際に戦闘になった場合のカートリッジ消費が危険なのだ。例え、その戦闘に勝利し、地上本部につくことができてもその時点でカートリッジが尽きれば、それだけで自分の空戦能力がなくなってしまうのである。
見方と合流したと同時に戦力が低下しては笑い話にもならない。その為、ライはエナジーウイングの使用を渋っているのである。
「……!」
市街地を進んでいると、かつてヴィヴィオが保護された近くを通っていることにライは気付く。そしてそれと同時にあることを思い出し、ライは蒼月に命令を飛ばす。
「蒼月、ミッドの地下ルートでの最短ルート算出。センサー感度はそのまま維持、通信の傍受は一時中断」
「イエス マイ ロード」
手短に命令を下したライは近場にあったマンホールをパラディンで切り裂き、地下通路の入口に飛び込んだ。
着地と同時に、これまで通信の傍受に使っていた蒼月のリソースをバリアジャケットの展開、チューニングシステムとシンクロシステムの使用に使う。
チューニングシステムにより、脳に直接送られてくるルートを認識しながらライは再び足を動かす。
地下に入ってからのライの進行速度は飛躍的に向上した。時折ガジェットと交
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