挑発
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たのが悔しいのですわ」
「……。そっか、ありがとな私のために戦ってくれたのか」
響は軽く息をつくと少し微笑を浮かべながらセシリアを後ろから優しく抱いた。
いきなりの行動にセシリアが戸惑いの声を漏らすが少しすると、すぐに静かになり顔を紅く染め縮こまってしまった。
それを見ていた場の全員が多少顔を赤らめていたが、響だけは変わらずにいた。
因みにシャルロットは物欲しそうな目で、箒と鈴音は一夏をじっと見つめていた。対する一夏は目のやり場に困っているのかあさっての方向を向いている。
「さて……一夏。ちょっと来い」
セシリアから離れた響は一夏を廊下に連れ出した。
廊下に出た響は壁に背を預け腕を組んだ状態で一夏に告げた。
「一夏。今度の学年別トーナメントの仕様が変更になったのは知ってるか?」
「え? どうなったんだ?」
「タッグ戦になるんだとよ。だからお前に提案があってな」
響は口元をにやりと上げ、
「私と組まないか?」
「え? 響とか?」
「ああ。今回のことでお互いに共通の敵ができただろ? できれば目的が同じ奴と組んだ方がいいと思ってよ。勿論無理にとはいわねぇ」
彼女は「どうだ?」といいながら一夏に投げかけるように手のひらを一夏に向ける。
一夏はその提案をあごに手を当てながら数瞬考えると頷き、
「わかった。よろしく頼む」
「おう、そうこなくっちゃな」
響は拳を一夏に向ける。
すると一夏もその意図を理解したのか、差し出された響の拳に自分の拳を合わせた。
「トーナメントが終わるまでよろしくな」
「ああ! こちらこそ頼んだぜ響」
ここに二人のタッグが結成された。
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