挑発
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おり、装甲が剥げかけているところもあった。セシリアと鈴音の視線の先には『シュヴァルツェア・レーゲン』に搭乗しているラウラの姿があった。彼女のISは二人とは違いまったく傷ついていない。
「鈴! セシリア!」
戦う鈴音達を心配してからか、一夏が声を上げるがアリーナ全体に展開されているバリアフィールドのせいで声が届いていない。
二人はラウラに攻撃をしているものの、ラウラが右手を突き出しただけで、鈴の衝撃砲もセシリアのブルー・ティアーズもラウラの元に届くことはなく、まるで機能を停止してしまったかのように動かなくなっている。
「……故障ってわけじゃなさそうだな」
「うん、なにかフィールド的なものが展開されていると思う」
響の呟きにシャルロットが答える。
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ響!! このままじゃ二人が!」
「んなこたぁわかってる。だからこそ落ち着くのがいいんだろうが」
「でも――!」
一夏が言った瞬間、再度轟音が響く。
セシリアが弾頭型ビットをラウラの至近距離で射出させたのだ。その爆風でセシリアが大きく後ろに吹き飛ぶ。
二人は肩で息をしていたが、その顔にはしてやったりといった色が伺えた。
だが爆煙が晴れた瞬間、二人の顔は蒼白に染まった。
その瞬間ラウラが瞬時加速で鈴音の元に詰め寄り、鈴音を蹴り上げる。さらにセシリアに近距離で砲撃を浴びせる。だが攻撃はやむことはなく、ワイヤーブレードが吹き飛ばされた二人を捕らえ、ラウラの元に手繰り寄せられると、そこから一方的な暴力が始まった。
二人を殴りつけるラウラの顔はいつもと変わらぬ冷徹な顔をしていたが、ふとその顔が愉悦に歪んだのを響は見逃さなかった。
「これ以上はヤバイな――」
響が言った瞬間、隣にいた一夏が『白式』を展開させバリアフィールドを切断するため雪片二型を構築すると『零落白夜』を発動させた。
「おおおおお!!」
そしていざバリアを破ろうと切りかかろうとした瞬間、一夏の目の前でバリアが粉砕された。
見ると一夏の隣で響が『夜天月』の左腕だけを部分展開しバリアを文字通りその巨大な左腕で粉砕された。
「響……!?」
「お前はそこにいろ。お前が行ったって軽くあしらわれて終了だ」
「だけど!」
「うるせぇ黙ってろ」
なおも食い下がる一夏に対し、アリーナの中に入りながら響が後ろ目で睨むと一夏はたじろいだ。
それを確認した響は部分展開していた『夜天月』を待機状態に戻すとなんと生身のままアリーナに降り立つ。
「響!? 一体何を!!」
シャルロットが響を止めようとするが響はそれに聞く耳持たずラウラに向き直る。
「……いい加減、
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