挑発
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をしようかと思ってね。アンタもここにいるって事はトーナメントに参加するの?」
「はい。私の力を響さんにお見せする絶好の機会だと思いまして」
セシリアは完全に緩みきった表情で熱い息を吐いていた。その姿たるやまるで何かに興奮しているようである。
「あーはいはい。アンタは響にぞっこんだもんねー」
「むっ! そういう鈴さんだって織斑さんにぞっこんではありませんか!!」
「な、ななな何言ってんのよアンタ! そんなこと……なくもないけど」
セシリアの反論に受身を取っていなかった鈴音が顔を真っ赤にしてしまう。
だがそんな和やかな空気を耳をつんざく様な金切り音が切り裂いた。
「「!?」」
二人は緊急回避を取りそれを避ける。
見ると先ほどまで二人がいたところが、発射されたであろう砲弾によって大きくえぐれていた。二人は砲弾の飛んできた方向を見やるとそこにいたのは、
「ラウラ・ボーデヴィッヒ……」
二人の視線の先にいたのは黒のIS、『シュバルツェア・レーゲン』に搭乗したラウラの姿だった。
「いきなりぶっ放すなんていい度胸してるじゃない。それともドイツではそういう挨拶が流行ってるの?」
鈴音が挑発するようにラウラに声をかけるが、ラウラはそれを鼻で笑うと、
「中国の『甲龍』にイギリスの『ブルー・ティアーズ』か。実際見てみると随分弱そうだな」
明らかな挑発に鈴音の口元が引きつる。
「何? 本当にやりたいわけ? わざわざドイツから日本まで来てボコられに来たの? そうだとしたらとんだマゾヒストっぷりね」
「鈴さん、あまり挑発に乗っては……」
鈴音をセシリアが制しようとするものの、ラウラがそれを邪魔をする。
「フン。量産機にも勝てん貴様ごとき喚こうがうるさいだけだ。どうせなら二人まとめて相手をしてやってもいいぞ?」
「お断りですわ!」
「なに?」
ラウラの申し出をセシリアはばっさりと否定した。
「わたくしや国のことを貶したいのであればどうぞお好きになさってくださいな。ですがそんなこと程度で私が動じるとでも思っているのであれば、貴女はただの子供と同然ですわ!!」
言い切るセシリアの声には確かな力があった。この返しには予想外だったのか、ラウラ自身もかなり驚いたような表情を浮かべる。
鈴音もセシリアの様子に驚きを隠せないようだった。
だがラウラはさらに挑発を続けた。
「ハ!! ようは貴様は私と戦うのが怖いだけだろう?」
「そう思うのであればどうぞご自由に。そうでしょう鈴さん?」
「え、ええ! そうね、馬鹿にしたいなら好きにしなさいよ」
セシリアの呼びかけに鈴音も頷く。
そして二人
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