挑発
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回は夜風に当たっているわけではなく、ある人物を探しているのだ。
「お、いたいた」
響の視線の先にいるのはラウラだった。彼女は少し俯き気味だったが、その手は力強く握られていた。
「おい! ボーデヴィッヒ!!」
「っ!? ……なんだ貴様か」
ラウラは響の声にすぐさま振り向き構えを取るものの、響だということを確認するとすぐに体勢をを元に戻す。
「なんだとはひでーいいようだな」
「フンッ、それで私に何か用でもあるのか? ないのであれば即刻ここから消えろ」
「まぁそう言うなっての。今日はちょいとお前さんに宣戦布告しようと思ってな」
宣戦布告という言葉に反応したのかラウラの冷徹な表情が若干動きを見せた。
「宣戦布告だと? 貴様が私と戦うというのか?」
「ああ。今度学年別のトーナメントがあるだろ? それに私も出ようかと思ってよ」
「ク、ハハハハハ! いいだろう、貴様とは私も戦ってみたかったところだ。受けて立ってやる」
ラウラはにやりと笑い不適に響を睨みつける。その目には余裕が感じられた。
「そうか……じゃあトーナメントの日を楽しみにしてるぜ。ドイツ軍IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』隊長。ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐」
「っ! 貴様……何故それを知っている!!」
自らの個人データを響に言われ、ラウラは確かな殺意を響に向けるものの、対する響は「さぁな」とだけ答えると踵を返し、寮へと戻っていく響は後ろで声をかけるラウラに振り向きもせず、ただ言葉だけを返し、その場を去ってった。
ラウラと離れ寮の入り口へと差し掛かったところで、響は不意に声を発した。
「あんな感じでいいですかね? 織斑先生」
響が言うと木の影から千冬が姿を現した。
「盗み聞きは趣味が悪いんじゃなかったでしたっけ?」
「安心しろ、盗み聞きではなくただ聞こえてきただけだ」
昼間響が返したのと同じような返しをする千冬。だが彼女は笑ってはおらず、眉間にしわを寄せていた。
「私はお前にあんなこと頼んではいないが?」
「昼休みのアレで明らかに頼んでたも同然でしょ。心配なさらず、絶対アイツの性根叩きなおしてやりますから」
「そういう問題ではないのだが……。まぁいいだろう、だがそう簡単にラウラに勝てると思うなよ?」
「上等! それぐらいなきゃ面白みの欠片もないってもんですよ」
千冬の警告にも似た言葉を笑いながら返した響は寮の中へと消えていった。
時間は経って翌日の放課後。
第三アリーナにセシリアと鈴音の姿があった。
「あら? 鈴さん、どうしたんですのこんなところで」
「ちょっと次のトーナメントの特訓
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