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銀河英雄伝説〜悪夢編
第三十三話 少し頭を冷やしてこい!
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ら提供された資料だ。

「見ての通り、レンテンベルク要塞は小惑星を利用して作った軍事要塞です。この小惑星をくりぬいて建設された要塞の中心部に核融合炉が有り、これが全要塞にエネルギーを供給している。つまりレンテンベルク要塞の駐留艦隊を排除し陸戦隊を使ってこの核融合炉を奪取すれば要塞の死命を制する事が出来る」

私の言葉に皆が頷いた。スクリーンに映る設計図は核融合炉の位置が赤く点滅している。機器を操作した、要塞外壁から核融合炉までの最短距離の通路が青い線で表示された。直線の多い通路であることが分かる。
「要塞外壁から核融合炉へ向かおうとすればこの青い線で表示された通路、第六通路を使うのが最短ルートです。ここを通って核融合炉を奪取する……」

また皆が頷いた。
「ここで問題になるのは攻略法が限定される事です。火力を集中すれば通路の制圧は難しくありません、しかし誤って核融合炉を直撃すれば誘爆を招く危険性が有る。つまり我々は白兵戦によって通路を突破、核融合炉を制圧しなければならないという事になります」

彼方此方から溜息を吐く音が聞こえた。
「総参謀長の仰る事はもっともだが敵もそれは理解しているだろう。となれば当然だが第六通路に備えは有る筈だ。陸戦隊はその備えに突っ込むことになる。被害は無視出来ない物になるのではないかな。裏をかいて別なルートを使う事は出来ないだろうか?」
ワーレン提督が意見を具申してきた。何人かが頷いている。

「その事は総司令部でも検討しました。だが別ルートはかなりの遠回りになります。そして核融合炉に行くまでの道順も複雑になる、例えばこれです」
別ルートを表示させた。黄色のルートが表示されるが明らかに青のルートに比べれば距離が長く何度も角を曲がる事が分かる。また会議室に溜息の吐く音が満ちた。

「この黄色のルートは第六通路の次に核融合炉までの距離が短い通路です。だがどう見ても攻略用のルートとしては適当とは思えません。距離が長いし何度も通路を曲がらなければならない。要塞側から見れば防御の準備がし易く伏撃もかけやすいという事になります。第六通路を使うのが最善の攻略法でしょう」

私が話し終わっても誰も意見を言う人間は居なかった。司令長官に視線を向けると司令長官が頷いて口を開いた。
「質問が無ければ第六通路を制圧する事でレンテンベルク要塞を攻略します。要塞攻略の担当者はロイエンタール提督とミッターマイヤー提督にお願いしましょう。他の司令官は待機を」
艦隊司令官達が頷いた。

もう一度機器を操作してスクリーンにレンテンベルク要塞の実物を映した。さらに或る部分を拡大する。
「外壁から第六通路に侵入するにはここが最短の場所になります。駐留艦隊を排除した後はここの外壁を破壊し要塞内に突入してください、後程データを送
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