第三十三話 少し頭を冷やしてこい!
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シュバイク公は驚いたらしい。フレーゲル達は爵位を奪われている。今度騒ぎを起こせば命を失いかねない、馬鹿げた事はしないと考えていたのだ。
それにブラウンシュバイク公はあの軍法会議の後、厳しく連中を叱責したのだとフェルナーは言った。もう少しで自分まで反逆行為に加担したと言われるところだったのだ、怒りは相当に大きかったらしい。公は連中が馬鹿げた事はしないと考えていたのだ。
だから俺の襲撃事件もベーネミュンデ侯爵夫人の犯行だと信じていた、或いは信じようとしていた。これについてはフェルナーも同じ思いだったらしい。聞いた時には耳を疑ったと首を振りながら話してくれた。だがブラウンシュバイク公の思いは裏切られた。激怒したブラウンシュバイク公はフレーゲルにその二人を殺せと命じた。自分の蒔いた種だ、自分の手で刈り取れと言ったらしい。そしてその後始末は自分がすると言った……。
叱責されたフレーゲルは侍女とその恋人を自らの手で殺した。自ら殺さなければ気が済まなかったのだろう。フェルナー、アンスバッハ、シュトライトがブラウンシュバイク公の命令で後始末に動いた。警察に手を回し通り魔による殺人事件とする一方で残りの侍女達に警告を与えた……。
フェルナーが俺の館へ無謀な襲撃を行ったのも嫌気がさしたからのようだ。どう見てもフレーゲルやシャイドのような馬鹿者と一緒に戦っても勝てるとは思えない、それならイチかバチかで襲撃してみようと思ったそうだ。投降が遅れたのは自分の仕事の内容が惨めに思えて出てくる事に抵抗が有ったのだとか、気持は分かる、俺だって話を聞いているだけでウンザリするんだから。
今では司令部の中で生き生きと働いている。元々能力は有るし適応力も高い、当初は白い眼で見られることも有ったが今では十分に溶け込んでいる。まあフェルナーには後々やってもらう事が有るからな。ようやく駒が揃ってきた、そんな感じだな。
帝国暦 488年 4月 10日 帝国軍総旗艦 ブリュンヒルト エルネスト・メックリンガー
総旗艦ブリュンヒルトの会議室に有るスクリーンにはレンテンベルク要塞が映っている。貴族連合軍の重要な拠点だ。イゼルローン要塞、ガイエスブルク要塞には及ばないが百万単位の将兵と一万隻の艦艇を収容する能力を持っている。さらに戦闘、通信、補給、整備、医療などの多機能を備えているため無視は出来ない。要塞を攻略してこちらの後方支援の拠点とする必要が有るだろう。
「全力を挙げてレンテンベルク要塞を攻略します」
司令長官の言葉に会議室に参集したメンバー、各艦隊司令官、総司令部の要員が頷いた。司令長官が私を見た、作戦を説明しろという事だろう。機器を操作してスクリーンをレンテンベルク要塞の設計図の画面に切り替えた。内乱が必至と判断された時点で軍務省か
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