一部
出逢い
私、お金で売られる?
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に噂されてるんだ。なんか心外だね、チェキータさん」
「あながち否定できないんじゃないの、キャスパー?」
「フフン、そりゃあ僕は武器商人だからね。武器をいっぱい売るよ、それで飯を食ってるんだから。でも、それで戦争だの紛争だのするのはあっちの責任でしょ、僕の所為みたいに言われたくはないけど。
でも、まあ、間接的には戦いを起こしてるとも言えるから仕方ないかな、アハハハハ」
何、笑ってんだろ、この人。むちゃくちゃこええ。てか、何、この状況。私って一体どうなっちゃうの。
「さて、そろそろ時間だ。行こうか?」
時計を確認したキャスパー氏が私に問いかけた。え、どこへ? そう聞く間もないまま私はボスにキャリーケースを腕に抱かされ、帽子とセーターとパスポートを持たされる。
「キャスパー、こいつをよろしくな。それと、例の件もちゃんと伝えといてくれよ」
「もちろんです、Mrガンボッチ。必ず、謝礼と注文の武器、お届けしますよ」
「あああああーーー!!! ボスッ! さては私を金と武器で売りましたね!!! もしかしなくてもさっきの話って全部…」
「ああ、嘘だ!」
「なんだとおお、この禿野郎めえ! 大切な部下を金なんかで売りやがって!! 何がファミリーを傷つけたくないだ、私の心は今激しく傷つきました!!!」
「キャスパー、このうるさいの早く連れてけよ」
「はい、何度も言う様に無駄な時間は少しでもなくしたいのはこっちなので。よろしくねチェキータさん」
「了解、了解」
私の体はチェキータ氏に一瞬で担がれてがっちり腕と肩にホールドされて身動き一つ取れなくなった。やばい、拉致られる!!!
「はーなーせーっ!!! 私はあの禿野郎に一発ぶちかましてやらないと駄目なんだい! 十八の乙女の身柄を簡単に売り飛ばしやがって! この変態ロリコン! 奴隷商人!! 守銭奴めええええーーーー!!!」
けれど、私は有無を言わさずヘリにぶち込められてシートベルトなのか拘束具なのか分からない紺色のベルトと椅子に結び付けられた。扉が閉まって、上のプロペラの回転音がすると、徐々に地面が遠ざかっていった。
ボスも遠くを見るように額に手を掲げて私が連れてゆかれる様を黙って見ている。
「いつかーーーーー、ぜったい、ころしてやるううううううううううううううううう!!!!!!」
そのまま、私は空中の牢獄に閉じ込まれ、タイ、バンコクの地を去ることになってしまったのだった。
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